2015年5月31日日曜日

2015年 高橋克也公判 2/16 広瀬健一証人出廷 地下鉄サリン事件

わたしが聞きに行った、地下鉄サリン事件の死刑囚証人出廷の傍聴記録です。
2/16 広瀬健一さん
2/17 林泰男さん
2/18 新實智光さん
2/19 (午後から)中川智正さん(用事があり途中まで)
2/20 井上嘉浩さん(傍聴券とれず友達と交互で入った一部のみ)
それぞれの角度から、事件が浮かび上がってきて、本当に興味深かったです。

他の傍聴記録については、以下のブログを参考にしてください。
上記の日程の記録についても、順次upされてゆくと思います。

オウム裁判傍聴記14-15

http://ameblo.jp/tanchi-co/



なんとなく書き方が似ているのは、上記の傍聴人さんとはずっと仲良くさせてもらっていて、わたしの傍聴記録が役に立たないかなと思ったからです。
とかいって、傍聴人さんのがはるかに大量の記録とわかりやすいメモをとられていたので、結果、なんの役にも立たなかったわけですが。

以下は、傍聴人さんほどちゃんとしてないですが、わたしのメモに基づいた傍聴記録です。
ではどうぞ。




防弾ガラスにパーテーションの法廷。
広瀬入廷(パーテーションで姿は見えず)、声しぶい、緊張してる感じ
立って名前の確認と宣誓。



検察官尋問】

証人の出家はいつですか?
「平成元年3月31日です」


証人の罪名は何ですか?
「殺人等未遂および武器等製造です」

証人は地下鉄サリン事件に関与していますね?
「はい、丸の内線に、サリンを散布しました」

証人の当時の教団内での所属は?
「科学技術省でした。」


位は?
「次官でした。」


おもにどんなことをしていましたか?
「自動小銃の製造です」


それは何のためですか?
「麻原の説くヴァジラヤーナの救済を達成するために、戦争で、使用する武器です」


製造に関与したのはいつごろですか?
「直接関与したのは、平成6年2月28日からでした」
「平成5年2月…に、ロシアで入手しました」


自動小銃の製造は成功しましたか?
「一丁だけ、製造しました」


証人は被告人と仕事をしたことがありますか?
「昭和63年の秋、東大の学園祭で、高橋さんに荷物を運んでもらったことがありました」
「あとはロシア射撃ツアーに参加して、手榴弾を投げたりとか」
「高橋さんとロシアで会話をしました、小銃を撃つ訓練をしているときに『はじめは人を撃ちにくいから人の形をしてるものでならしていくんだよな』と言っていました」

<はきはきして明確な答えっぷり。

それでは、地下鉄サリン事件についてお聞きします。
サリンを知っていましたか?
「はい」


どのようなものだと?
「猛毒の毒ガス兵器であると」


それは何で知りましたか?
「麻原の説法から、あと麻原に書籍をもらい、そこに書いてありました」


いつから知っていましたか?
「平成5年70月くらいから、サリン等毒ガス攻撃を受けていると」


どのような書籍ですか?
「平成7年2月くらいに、『日出づる国わざわい近し』という本で、サリン等の威力、解毒剤であるPAMを、公に発言しているものだと思います」
「平成3年頃から、書籍が配られていました」
「私は、ちょっと前に読んだと思いましゅ」


サリンのことを、隠語で示したことはありますか?
「えー同じ部署のTKくんから、サリーちゃんと呼んでると聞きました」
「あとは、麻原がサリンのことを魔法と呼んだことがありました」
「平成7年、1月1日の出来事です、ちょうど自動小銃一丁が完成したので、私と横山さん…横山さんはやはり科学技術省の次官で私とともに自動小銃を製造していた出家者です、その横山さんと麻原に見せに行きました」
「そしたら読売新聞のことを言われました」
「えー、ま、そのときは…(沈黙)…まあ麻原が、銃を見せたりしていました」
「早川さんが、三ヵ月後が危ない、つまり強制捜査が入ると言っていました」
「第7サティアンのサリンプラントからサリンがもれたのですか?と聞きました」
「村井から、第7サティアンではサリンができていない」
「麻原は、村井の管理がなっていないからだ、と怒っていました。」

そのときの証人のステージは何ですか?
「菩師長補、でした」


それから?
「1月1日から菩師長となりました」


それはなぜですか?
「ま、それは…自動小銃を作ったから、昇進したのだと思いました」


地下鉄サリン事件のに関与することとなった理由は何ですか?
「村井の話を、聞いたからです」


はじめ村井はなんといいましたか?
「どうだうれしいだろう、と言っていました」


他の実行犯は誰ですか?
「林泰男さん、豊田亨くん、私、横山真人さん、林郁夫さんです。林泰男さん、じゃないすみません林郁夫さんは治療省の大臣でした。」
「村井が私に来て、あ、私の部屋に来て、林泰男さん、豊田亨くん、横山真人さんに連絡して集めてくれと」


それでどうしましたか。
「彼らに連絡しました」
「第6サティアン3階の、村井の部屋に行きました」

「村井が私に来て、あ、私の部屋に来て、林泰男さん、豊田亨くん、横山真人さんに連絡して集めてくれと」
それでどうしましたか。
「彼らに連絡しました」
「第6サティアン3階の、村井の部屋に行きました」
「『地下鉄にサリンをまく、強制捜査の矛先をそらす。3月20日8時に行う。これは尊師の指示だ。衆生のカルマを背負うのがわれわれの使命だ。』」

<はっきりとよどみなく有名な村井の台詞を言い切る広瀬さん。
でも「地下鉄しゃりんじけん」みたくちょいちょい舌足らず。>


それで証人はどうしましたか?
「やりますと答えました」
「村井が一人一人返事を聞きました」


それからどうなりましたか?
「まず、村井は麻原の話していたことを私たちに話しました」
「容器にテープをし、さかさまにして散布したらどうかと言っていました」
「あとはカツラをかぶらせろと言われたと言っていました」
「村井は『全部で1Lだ、1人あたり200ccとなる』」
「さらに村井は『この計画には井上くんも加わる』と、諜報省長官の井上よしいろ…よ し ひ ろくんです」
「彼は時刻や車、下準備、あるいは準備が役割と言っていました」

そのあとは?
「村井が役割を細かく説明しました」
「インターネットからプリントアウトしたニュース(多分1/1の第7サティアンからサリン漏れたやつ)を見せながら、警備が厳しくなっていると」
「ぼちゅ…ボ ツ リ ヌ ス 菌を散布するために噴霧器をしかけたと」
「ま、そのほかには……………………ま、容器、午前11時に買い物に、横山さんと行きまして、サリンの容器、自動車道路を買って」


・・・?自動車道路とは、自動車道路地図のことですか?
「はい、地図です」


それからどうしましたか?
「村井さんの部屋で、私と横山で地図を見せに行きました」
「そしたら井上くんが入ってきて、『こんなのではダメだ、もっといいものがある』と本を二冊出しました」


その本はどんな本でしたか?
「ま、かなり情報が豊かで…(本の詳しい説明)」
「村井が井上くんと、いくつかの物事を決め、私たちに言うという流れです」
「井上くんは、警視庁は8:30頃にはじまるからとか言っていました」

そのとき村井は何か言っていましたか?
「村井は『本当は桜田門駅がいいのだが、路線が少ないからやはり霞が関だな』と言ったので、桜田門駅がいいけど路線が少ないからやはり霞が関だと理解してました」

それからどうしましたか?
「xxくん(自分のメモが意味不明)が部屋に入ってきました」
「正大師のワークってなんでしたっけ、と聞かれたので、地下鉄にサリンを撒く、と答えました」
「村井はサリンという言葉を使っていました」


村井はどのような目的を語っていましたか?
「このままだと、人々はらいしゅ…ら い せ は三悪趣におちてしまう、オウムの王国を作り、人々を強制的に教化する、と」



3月18日の村井の部屋で証人と横山が集まっていたときの話をもう一度聞きます。
井上の姿はありましたか。
「井上くんの姿もありました、林泰男さんが部屋に来て、泰男さんによりますと井上くんが…乗る客が多くて降りる客が少ない駅を決めてくれ、と言っていました」

<メモが微妙で時系列に自信がありません。とにかく乗降駅が決まったと。>

それからどうしましたか?
「ま、その後…ま、一応私が容器のそこに穴を開けるというアイデアを出しまして…」


それからどうしましたか?
「………ぇぅー……ま、その後翌日になりまして……」

3月19日、東京へ移動したのですね?
「ハイ」


どうやって移動しましたか?
「車二台で、東京に行きました」


運転手はだれですか?
「えー、一台は、杉本繁郎さん、もう一台は、Tさん」


それでどこへ着きましたか?
「杉並区のある一軒家に、平屋の一軒家です」


証人はそこへ行くのははじめてでしたか?
「はじめてです」


それは何時ごろですか?
「午前11時頃です」


そこには誰がいましたか?
「泰男さん、豊田くん、平田…信くん、Tさんがすでにいて、私、杉本さん、横山さんが加わりました」

どの部屋に集まっていましたか?
「コタツがある部屋です」


その部屋はどんな様子でしたか?
「カツラが散乱していました…平田さんが、長髪のパーマのカツラをかぶっていたのを覚えています」

証人はそこがどのような場所だと思いましたか?
「秘密の活動の拠点ではないかと」


それからどうしましたか?
「散乱したカツラの中からサリンをまくときのカツラを決めました」
「豊田くん、私、横山さんでとりました」


そのコタツの部屋で他にどんなことをしましたか?
「林泰男さん、豊田くん、私、横山さんで、林泰男さんを中心として、いくつかのことを決めました」
「具体的には担当する路線を決めました、そのほかについては…(細かい説明があったけどメモれず)」

担当路線はどのように決めましたか?
「アミダか何かをひいて担当路線を決めました」


運転手役とのペアはどうなりましたか?
「私と杉本さんがペアに、あ、えとえと…その他はわかりません」
「運転する車は三台あり、ベンツがあったことを記憶しています」


その話をしているとき、運転手役の杉本、T、平田信はどこにいましたか?
「周辺にいたと思います」
「泰男さんが席を外させないので、隠さなくていいことなのだと思いました」

その後どうしましたか?
「新宿へ買い物へ行きました」
「あと、タイ料理のバイキング、エレバンという店で、全員食べました」

あとは?
「洋服屋でコート、ズボンなどを買ったり、ビジネスシューズ、変装用伊達めがねなどを買ったりしました」


他に何か出来事はありましたか?
「…泰男さんの車とはぐれてしまい、杉本さんが携帯に電話するということがありました、そうしましたら『地下鉄の下見をしてきて』って言われました」

その時点で誰と一緒でしたか?
「私、杉本さん、Tさん、横山さんです」


その車内で何か会話をしましたか?
「杉本さんに目的を聞かれましたので、強制捜査の矛先をそらす、と答えました」
「そしたら杉本さんが『まねき猫になるんじゃないの』と言いました」


その「まねき猫になるんじゃないの」という発言に対して証人は何か答えましたか?
「特に何も答えませんでした」

ほかに会話は?
「杉本さんが『なぜ地下鉄なの?』と聞きました」
「密閉空間だからサリンの効果をxxx(メモ読み取れず)と答えました」


それからどうしましたか?
「午後6時すぎ、杉並の一軒家へ着きました」


それからどうしましたか?
「コタツの部屋にいると、携帯に電話が入りました」
「平田さんが電話をとり、村井から『科学技術省の人はいるか?』と聞かれたようで、私がかわりました」
「村井から、『井上と連絡をとってくれ』と言われました」

それからどうしましたか?
「7時頃、井上くんが来ました」
「渋谷の方へうつってくれ、そちらの方が便利だ、と言ったので、移動することになりました」
「そのとき、井上くんが独り言のように『I(CHSの井上さんの部下)はもう使えない』と言っているのを聞きました」
「克也さんの運転で、豊田くん、横山さんと渋谷へ向かいました」


それからどうしましたか?
「ま、結局、マンションに着きました」

車中で何か会話をしましたか?
「誰かが、道路の中央にしゃがみこんでいて、克也さんが『危ないな』みたいなことをいいました」
「あと、泰男さんが、後ろを見て後続車(仲間)が『ついてきてる、ついてきてる』と言っていました」
「マンションに着いたら、ちょうど新実さんもいて、豊田さんに話しかけていました」
その渋谷のマンションは、どういった部屋でしたか?
「……12畳以上はあった部屋でした」

その部屋の間取りはどのような?図面を見ていただいていいですか?(こんなかんじの質問)


高野弁護士「図面について誘導尋問です!」


では間取りを口で説明できますか?


高野弁護士「異議あり!」

<なぜ誘導尋問なのかは、後日の公判を聞いてわかってきました。ともかく、仕方がないので一生懸命口で説明する広瀬さん>

「玄関を入ると12畳ほどの部屋があり…その横に台所、洗面、トイレ…」

玄関は左側ということですか?正面の左側ですね?
「そ、そうですね」


窓はどのあたりにありましたか?
「玄関入って左側です」

それでは、紙に間取りを書いていただけますか?
「はい」

<コリコリと間取りを書く広瀬さん>
<線がまっすぐで綺麗、美文字。12畳と書かれた部屋と、その下に玄関、台所、洗面風呂トイレとかかれたみっつの区画が書かれている、広瀬さんはもうひとつある洋間の小部屋の存在を知らなかったようである>

窓はどこらへんですか?
「あ、ここらへんです…」


それからどうしましたか?
「衣類を確保したり、ひげをそったり、変装用に髪型を変えることを試みていました」


その時点でその部屋には誰がいましたか?
「林泰男さん、豊田くん、横山さん、新実智光さん、杉本さん、外崎清隆さん、北村くんです」


髪型を変えていたとは?
「え、かちゅら(カツラ)はー…まとめて持ってきたのですが、自分のカツラを忘れてしまったようで、というのも、私が私のだと思って持ってきたやつが豊田くんので、自分のが、無くなってしまいました」
「それで、髪型を変えて対処しようと」
そのときのことで覚えていることはありますか?
「オールバックで対処しようとしていたら、外崎さんに『サザエさんみたいだ』と言われました」
「それから、克也さんが『ムサくるしいから床屋にいったほうが』と言ったのを覚えています」


そのときの克也さんの姿勢はどんなのでしたか?
「床に寝そべっていた状態で」


場所は?
「玄関に近い場所です」

その後どうなりましたか?
「井上くんが入ってきました」
「全員に向かって『サリンをまく量がふえた、一人1L』と言いました」
「私が『容器はどうするの』と聞くと『むこうで用意する』と言われました」
「それから林郁夫さんが到着したのですが、誰かが迎えにいったのかもしれません」


それは何時くらいのことですか?
「午後9時くらいです」


それはどこでの出来事でしたか?
「その、近い部屋です」
「誰かが『いっせいにまかなければダメだ』と言いましたが、誰が言ったか………覚えていません」
「泰男さんがベンツを嫌がり、横山さんの所へまわしました」
「井上くんが運転手役の人に、緊急連絡先を教えていました」
この時点での、運転手役は誰でしたか?
「新実智光さん、杉本さん、高橋さん、外崎さん、北村くんです…あ、そっか違うな、すみません、とにかく、私のペアが北村くんであると」

そのほかに何かありましたか?
「各実行役運転手役がそれぞれ待ち合わせ場所を話し合いました」
「井上くんから下見に行ってくれと言われ、新実さん、郁夫さん、北村くんと行きました」


それからどうなりましたか?
「村井から、泰男さんに電話がありました」
「『サリンをとりに来いと言っている、正大師が怒っている、なんでお前はそっちにいるんだ』と。」
それは運転手役の人も聞いていましたか?
「えーそのあと、えー…運転手役の人すべてが、おそらくすべてだと思いますが」
それからとりに行ったのですか?
「ぇぅ、ぇぅ、あのー…上九へとりに行けないと、時間が無いと」

証人は「傘でまく」ことを聞いたのはいつがはじめですか?
「傘と聞くのは、一番最初の電話で、泰男さんがなにか驚いて聞くような」
「とりに来いと言っているが、運転手間で話し合い、行けないと、泰男さんは『正大師がまきかたを教えると言っている』と」
「その後『なんとか間に合うのでは?』ということになり、第7サティアンへ、外崎さんとだれかで行きました」

<25分休憩。はじめははきはきと答えていた広瀬さんだが、だんだん疲れたのか沈黙や「えーと」みたいのが多くなってきました。>

サリンの入った袋の説明をおねがいします
「ビニール袋が、ねつ…熱…圧着、器でとめてありました」


サリンはどのような見た目でしたか?
「褐色、透明の液体です」


サリンを持って、村井と何か会話をしましたか?
「……ぇーと……ま、これが本物やというようなことをいいまして」


他に何かありましたか?
「ま、林、…泰男さんが三袋まくということになりました」
「村井は『指紋、体液は残すな、傘はもって戻って来い』と言いました」


他には?
「薬をもらいました」


それは誰が?
「実行役です」


他には?
「村井が『大阪支部に強制捜査が入った』と」
「『まさに戦争やな』と、『自分は機動隊に蹂躙されてるかもしれないが、君たちはがんばってくれ』と言っていました」


それからどうなりましたか?
「豊田くんがまとめてサリンを持っていきました」


帰るときの運転手は誰でしたか?
「外崎さんが運転手でした」

3月20日、午前5時30分頃、渋谷のマンションへ戻る。
着いてたら他の運転手役の人たちはどうしていましたか?
「マンションの広い部屋で寝ていたと思います」


証人たちはどうしていましたか?
「着替えていました」


そうしたらどうなりましたか?
「豊田さんが『みなさん、サリンをとりにきて下さい』とかなり大きな声で。となりの人に聞こえるのではと心配になりました」


となりの人とは?
「ま、となりの家の人です」


その時の豊田さんの位置はどこなのか、先ほどの間取りで示してください


<「みぎ…した…」とか言いながら律儀に指をさしつづける広瀬さん>


「だれか、運転手役が『これがサリンか』と言ったのを覚えています」

他になにかありましたか?
「泰男さんが『(サリンが)もれてる!』と叫んだことがありました」

そのときの泰男さんの様子は?
「手で袋をかかえていました。うち袋がやぶけてもれていました」

その他には何かありましたか?
「林郁夫さんが、何かあったらAHIにいけばいいと、Mさんに言えばわかってくれるからと」

Mさんとは?
「AHIの看護師さんのことです」

AHIとは?
「泰男さん…あちがいますちがいます、郁夫さんが大臣を勤める治療省の病院です」
  
その後、どうしましたか?
「丸ノ内線、四谷駅まで向かいました」
「7時頃、池袋駅についたので、7時半まで時間をつぶしました」
「目的の…電車、に乗りました」
「ま、午前7時50分、少し前、進行方向前方の、2両目でした」
「中学生が、2〜3回、私の方へ振り向きましたので、車両を降りました」
「それから、どこへ乗ろうか迷ったのですが、もう出発しそうでしたので、一番近くの車両へ、

女子高生が数人いたのですが、すいませんといってどかして、おそらく三両目だと」
「すぐに取り出して、床におきました」
「位置としましては、電車の側面には板がありますが、その板に平行な形で、2つ並べて置きました」
「新聞はとけたので、はだかのまま置きました」

『とけた』とは、外れたという意味ですか?
「そうです、外れてしまった」

「マントラを唱えながら、2〜3回ずつ、突き刺しました。(人混みで)目が見えなくて、加減が分からず、床につくまで刺しました。手に反動が伝いました。」

<たんたんとしっかりと証言をする広瀬さん。>


それからどうしましたか?
「サリンの中毒症状がでて、呂律が回らなかったので、AHIヘ行こうと思いました」
「六甲の水2Lを買ってあったので、傘の先端にかけて、傘を洗いました」

他に症状はありましたか?
「右足が2〜3回けいれんしました」
「林泰男…郁夫さんからもらった注射を、左のふとももに打ちました」
「井上くんに電話をしました」
「AHIに到着して、Mさんというところを、『松本さん』と、間違えて言ってしまいました」
「xxx(聞き取れず)ドクター、xxx(聞き取れず)看護師という人たちがいて、私がなぜこの状態なのか分からない様子でした」


<なぜか林泰男さんと郁夫さんをまちがえまくる広瀬さん。>


「それから、渋谷ホームズへ到着しました」
「玄関で新實さんと井上くんが迎えに来てくれていました」
「井上くんが『電話で死んだ様な声をしてるので、どうしたのかと思った』と心配してくれました」


証人はそのときどのようにして部屋へ入りましたか?
「北村くんにかかえられていました」
「すべて衣服を着替える様に、と言われました」
「郁夫さんが右腕にPAMを注射してくれました」

他のメンバーはどうしていましたか?
「井上くんと、おそらく外崎さんと思いますが、サリンのニュースを見ていました」

その時の会話を何か覚えていますか?
「井上くんが林泰男さんにかなり、部屋に響くような大きな声で『イシディンナ師やりましたね!』と言いました」

その他のメンバーで覚えていることはありますか?
「横山さんがPAMを打たれて寝ていました」

どのあたりでしょう?(図を見ながら)
「図の、ま、左の方ですね」

その後、どうなりましたか?
「処分へ行く人たちと上九へ行く人、二手に別れました」

証人はどちらですか?
「上九へ行く方です」

他のメンバーは?
「私、豊田さん、横山さんです」

上九へ到着したのは何時くらいですか?
「5時半くらいです」

何をしましたか?
「麻原に報告しました」

何といわれましたか?
「科学技術省になると、結果が出るな、と言われました」
「『ポアは成功した。シヴァ大神、すべての真理勝者…あ、真理はまこと、理は理科の理、です…が喜んでいる、被害者はより幸福な世界に転生した』と」

その後、どうなりましたか?
「それぞれ報告をしました」

「豊田くんから報告しました『自分は失敗しました。姿を見られました。』と言いました。そしたら麻原が『あ、大丈夫だよ、見てる人は逝ってるよ』と言いました。」
「次は私が報告しました。女子中学生に気づかれそうになって、車両を変えたこと、袋をはだかで置いたことを報告しました」
「麻原は『そういうことだったのか、サンジャヤのアストラルが暗いので、どうしたのかと思った』と言われました。あサンジャヤは、私の宗教名です。」
「横山さんは『緊張しました』と言っていました」
それについて麻原は何か言いましたか?
「あ、何も言いませんでした」


麻原にマントラを一万回唱えるようにと言われました。『グル、シヴァ大神、全ての真理勝者方にポアしてもらってよかったね』というものです。


その『よかったね』とは誰に対してよかったのでしょうか?
「被害にあわれた方だと思います」

証人の方から、何か言いたい事はありますか?
「ハイ、えー、事件の、被害者の方々、及び、その関係者の方々に、心からお詫び申し上げます。独善的な考えに囚われ、ご遺族の方、また重篤にになってしまわれた方、多くの方々を、苦しめることになり、まことに申し訳なく思っています

<緊張しつつもはきはきと答えている様子の広瀬さん。>


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【弁護人質問

それではお聞きします。杉並の家(=今川の家)から買い物へ行ったとき、高橋さんは見ましたか?
「見ていません」

その時のメンバーは誰ですか?
「ま、私、横山さん、北村さん、杉本さんです」
「杉並では、高橋さんはいませんでした」
「当然、忘れている可能性もある訳ですが、見ていません」
「(杉並の家の)家庭菜園の所に、停まっている車の中に居るのを見ました、ま、私の記憶ではということですけど(汗)」

3月17日の時点で、あなたのステージは何ですか?
「菩師長、でした」
「正悟師に認定される予告がありました」

普通、正悟師はどうなったら認定されるんですか?
「マハームドラーを成就することです」

今回の成就認定で、何か思ったことはありましたか?
「これは一体なんなのか、と思いました、今までと違うと」
「つまり、今までは予告されることも無かったのです」
「マハームドラーの成就は、麻原自身にも分からない、と言われていました」

村井の部屋で、サリンをまく話をされた時、村井は一人一人了承を確認したんですか?
「村井は『やるか?』と、一人一人に手を向けて確認しました」
「横山さんは、いいとか何とか言っていました」
「泰男さんは、だまってうなづき、郁夫さんは、何か言っていました」

そのとき断ろう、とか思いませんでしたか?
「特に、断ろうとも実際は思ってませんので」

村井の部屋で、井上と打ち合わせをしているときはどのようでしたか?
「井上から話聞いて、村井が決めて行くかんじでした」

そのとき運転手の話は出ていましたか?
「運転手はまだ決まってませんでした」

地下鉄サリン事件の目的は何だと思っていましたか?
「あのー、目的として、ヴァジラヤーナの救済なので…」

ハルマゲドンを信じていましたか?
「……ハイ、あのー、第三次世界大戦、戦争は、起こると思っていました」
「麻原は、世界を征服したいんだと思っていました」
「麻原は、ハルマゲドンとは、一度も言わない、ヴァジラヤーナと言っていました」

あなたは、サリンが出来たことをいつ知りましたか?
「平成六年三月頃、村井から土谷君が合成成功したと」

松本サリン事件を知っていましたか?
「当時は知りませんでした」

VXについて聞いた事はありましたか?
「お………そらく、聞いていないのではないかと思います…(だんだん小さくなる声)」

科学技術省は、どのような序列でしたか?
「大臣が村井、次官に、Wさん、林泰男さん、豊田くん、私、横山さん…その下にもっと多いですけどね、次官だけで10人くらいいます、科学技術省全体では250人くらいいます」

平田信さんは、いつ見ましたか?
「平田さんについては、杉並ではじめて見ました」

平田さんは、何の役割だと思っていましたか?
「えとーーーっとーーー…東京にサリンを運ぶ、役割だと思っていました」

<休憩>

ではお聞きします、当時の平田信さんのペアは、覚えていますか?
「覚えていません」

運転手について、何か覚えていることみたいなことを聞かれる広瀬
「…おぼろげながら………運転手、使わないという話が、あったような……」

<弁護士がよく沈黙する、検察に比べ、ぶっきらぼうで、証人に対しても「あなた」「あーた」などと言い、どちらかというと無礼な印象。>

買い物へ行く時の杉本(繁郎)との車中の会話で、杉本は何を言っていた?
「このワークの目的を聞かれ、強制捜査を遅らせるためだ、と答えたら『まねき猫になる』と言われました」
「言いにくいことを、言わされている?言っていいのかな?と、杉本に対して思っていました」
「私の記憶では、杉本さんは、これからサリンをまくということを知っていたと思っていました」

運転手について、誰がはじめ運転手だったか覚えていますか?
「記憶にありません」

その後運転手が変わったのですが、記憶にありますか?
「ありません」

杉本さんは運転手であるとなぜ知っていたのですか?
「ま、先ほど申し上げた、打ち合わせの前に聞いたんだろうと」

杉本さんとは、最初にいつ知り合ったのですか?
「平成2年4月から6月まで、ボツリヌス菌を培養していました、杉本さんといっしょに、携わっていました」

渋谷ホームズに入って来た井上が、はしゃいでいたという記憶はありますか?
「記憶にありません」

すごい事件をやってきたよ、って
「記憶にありません」

ペアの話し合いをしたことは、覚えていますか?
「記憶にありません」

車の用意について、何か覚えていますか?
「記憶にありません」

<「記憶にありません」が続く。弁護士が、広瀬さんが知らないと言っているのに同じ様な事を色々な角度から聞いていた。>

それでは、あなたの入信の経緯について聞きます。
「ハイ」

当時、現実に、神通力を信じていましたか?
「ハイ」

いつから信じていましたか?
「入信する前…ま、クンダリニーの覚醒という…ま、教団で言われている体験が起きて…突然の
宗教的回心が起きました」

具体的には?
「ヨガについては関心がありました」
「大学院一年生で、物理学応用物理をやっていました」
「宗教的世界観が現実に起きて、クンダリニーが覚醒すると指導者が必要だと言われました」
「ま、それが…いろいろ文献などを読みましても、突然の…回心としか言いようがありません」

麻原さんについて当時どう思っていましたか?
「すごい力をもってると、頭頂から麻原のエネルギーが入り、宗教的体験がどんどんおこるようになってきた」

出家の理由は?
「グルとの縁ができたから」

あなたにとって麻原さんはどういう存在でしたか?
「ま、神…でした」

麻原さんに対して疑問は無かった?
「ハイ」
「エネルギーを感じて、心が澄み渡った状態になりました、やはり最終解脱者ではないかと、感じた訳です」

<杉本さんは一緒に車に乗ってた時、元々サリンをまくということを知っていたのか?広瀬さんがサリンについて教えたのか?このことについて弁護士のネチネチした質問がつづく。どうしても、広瀬さんが虐められているように感じてしまった。細かくメモをとれなかったので、広瀬さんの受け答えのみ。>

「条件が違うんですね」
「杉本さんに聞かれたときは…要するに…要するに…」(要するに連呼)
「要するにもう…私としては杉並の時点では…イヤ、あの、し、知らせなくてもいいというか…」

杉本に、『サリン』とスムーズに言った?
「……スムーズに?とおっしゃいますと?結果として言ってると思うんですけどね?ウフフ」

<ついに笑ってしまった広瀬さん>


最初は(サリンを)『ガス』と言った可能性は?
「そういう可能性はあります」

高橋さんが加わるのを知ったのはいつ?
「………………分か…りません」

あなたは杉並の家でどの部屋にいたんですか?
「あくまでも私の記憶で、間違っている可能性もあるんですけど、私はずっとコタツの部屋にいました」

他の人はどうしていましたか?
「他の人は出たり入ったりしていました」

高橋さんはそこから見えた?
「あ、いや、見えた…ということでは、ないですね」
「私が覚えているのは、彼が運転席に座っている場面だけです」

運転ばっかりやってる人、何人かいたの知ってますか?
「………ま、ここのことについては、分かりませんが、多くやってる人はいました」

彼らは、上司から言われ、のべつまくなく運転している、そして運転していない時は寝てる、そうですね?
「そういう人たちと共にしていないので分からないです」

運転していない時寝てる??
「…!?えっ…(戸惑い)」

<答えたのに同じ質問をされ、戸惑っている広瀬さん

他の弁護士)質問を変えます
サリンは、茶褐色でしたか?
「ハイ」

<休憩>

ここでハプニング発生。パーテーションとアコーディオンカーテンの隙間ができており(多分弁護人が作った空気に刑務官たちも疲弊していた)最前列に座っていたわたしには、警備員につれていかれるスーツの男性の後ろ姿が見えました。
周囲にスーツ着てる人もいたからどれかわかんなくて一瞬だったけど小柄な男性が見えました。広瀬さん…おつかれさま。


【最終尋問】

茶褐色のサリンを見て、どう思いましたか?
「つまり精製…つまり精神の”せい”に…何ですか………(沈黙)」

<なぜか漢字の説明をしようとしてなぜか諦めてしまいました。>

精製されていないんじゃないかと?
「………………ま、完成、ま未完成とも思ってませんし」
「その点については何も感じていなかった」

サリンがもれていた時、誰かなにか言ってましたか?
「豊田さんが『サンジャヤ師長のいったとおり』と言いました」

豊田さんが「みなさんサリンをとりにきてください」と大声で言ったことについてですが、本当ですか?
「音声として覚えているということです」
「(このことは)平成8年の時点では、豊田くんの迷惑になる、共謀になると、話しませんでした」

瞬間的に思い出したことですか?(意味不明な質問)
「瞬間的に思い出した わけではなく、いやあ、平成8年に、瞬間的に思い出したことだけ話して、それ以外のことは、話しませんでした」

つまりどうでもいいことだと?
「………………そういうことではないです」
「平成8年の時点で、検察の方に聞かれたんですけども、豊田くんの不利になるから、あえて隠しました」
「でも平成24年では隠していません」

突然思い出したのでは?
「いや、そうじゃないです」(またイラっとしてるかんじが)
「彼自身証言してるので、私が隠す必要なくなったのです…フフ」(イラっとした気持ちを笑ってごまかしたような笑い)

あなたは、平成8年の時点でも、宣誓をして嘘をついたら…(なんだかごたごたと言っている弁護士)
「……………」(多分、意味不明で黙っている広瀬さん)

おわります。


【裁判員から。】

サリンの内袋が破れた袋は、誰が持って行きましたか?
「林泰男さんがそのままもっていきました」

渋谷ホームズに入室したのはどういう順番で全員入ったんですか?
「渋谷に…ま結果として全員は言ってるのではないかと思いますが」

<それにしても克也さんが全く話題に出てきません。広瀬さんはだんだん声がしゃがれきてかわいそう。>

【裁判官から。

六甲の水は、メンバーのためにも買ったのでしょうか?
「私だけのために買ってます」

渋谷ホームズに高橋さんは居ましたか?
「記憶にありません」

杉本さんは計画を知っていると思っていました?
「実はその記憶もハッキリしていません」(もう何回も言ってるのにーという空気)




おわり。