2016年6月24日金曜日

「極限芸術2 死刑囚は描く」パンフレット発売

「極限芸術2 死刑囚は描く」が広島県福山市クシノテラスで2016年8月29日まで開催されている。
http://kushiterra.com/gallery/2016/03/74.html


そして、先日この展覧会のパンフレットが発売開始された。
http://kushiterra.base.ec/items/3440347


かつて、死刑囚の作品をここまで丁寧にまとめたパンフレットがあっただろうか。
作品たちは綺麗に撮影され、印刷されている。圧巻。

宮前一明さんの「糞僧衣」(宮前さんが獄中でぼろぼろになるまで着用していた下着)も、撮影でつぎはぎがよくわかるようになっている。

作家の田口ランディさんと多摩美術大学教授の椹木野衣さんの論考もとてもよかった。
特に、田口さんは実際に死刑囚と交流をしているため、その処遇の理不尽な様子がよくわかる。

松本健次さんに知的障がいがあることは存じていたが、拘禁症状がひどくなっているとは知らなかった。

他にも、拘禁症状が悪化している人はたくさんいる。心配でならない。

死刑囚の作品をみて、描いた人の背景などを読んでいると、その人ひとりが悪い奴で、そいつのせいで事件が起こった、というわけではないように思えてくる。
ただの善悪で判断するわけでなく、例えば犯人の生育歴や当時の環境など、さまざまな因果が絡み合って、悲しい出来事につながってしまったのではないか、と、事件についてのさまざまな文献を読んでいてもそう思えてくる。
私は、もっと死刑囚と語り合いたいと思う。

2016年6月3日金曜日

どうして死刑囚の支援をしているのか

「どうして死刑囚の支援をしているのか」ということをリアルでよく聞かれる。

「オウム真理教事件は、麻原にだまされて事件をせざるをえない状況に陥った人たちが犯人とされ死刑囚になってて気の毒だと思ったから」と答える。

「もっというと、サリンをまかないと自分や自分の家族が殺されるような状況だった」
などと補足をする。

「えー!!そうなの!?」
とたいてい驚かれる。

「あんまりそういうこと考えてる人いないでしょうね」
ともいわれる。

わたしにはそっちの方が驚きだけど・・・

みんな、「他人」が「死刑囚」になったとたん「死刑囚=悪い人」で思考停止してしまうらしい。

事件は個人の責任に押し付けて、起こった背景や環境は考えないらしい。

すぐに過去のことにして、再発防止や研究はしないらしい。


わたしはもうちょっと事件について知りたい。

でもメディアはというと、テレビでは「真実は・・・わからない!終!」みたいな感じで、本はどれが真実かわからない。

裁判資料は膨大で、しかも手軽に見れるようなものではない。

公安調査庁の現在の後継団体の資料はあるけども、公的な総括はない。

それで「オウム真理教の元幹部の死刑囚の人たちはまだ生きてるんだから直接聞けばいいじゃん」と思い至った。

そうしたらレスポンスをくださる方がいた。
確定死刑囚の方ばかりなので、処遇的に直接は無理だけど、事件についての思いを何人かに聞かせてもらうことができた。

そのお礼もこめて支援をしている。

それだけの話です。

2016年6月1日水曜日

東京拘置所洗濯事情と処遇がひどい

イラスト:いらすとやhttp://www.irasutoya.com/


東京拘置所の洗濯事情がひどい。書いていいようなので書きます。

他の拘置所はわからないが、東京拘置所で囚人の服を洗濯するには
①交流者に宅下げ(房内から交流者へモノを渡すこと)して洗濯してもらい、また差し入れしてもらう。
②拘置所に一回何円かで洗濯してもらう。

のどちらかの方法がある。
ほとんどの囚人は、ほぼ毎日交流者に来てもらうことは不可能なので、②の方法が多いと思う。
で、その②の方法がひどいらしい。

なんでも、洗濯機の能力が強すぎて服がすぐぼろぼろになるというのだ。
昔は洗濯板で囚人各々で洗濯していたが、東京拘置所が今の状態に建て替えになった時に洗濯機を新調したらしい。
洗濯機を新調したのに、服がぼろぼろになるなんて・・・とわたしはちょっと笑った。


わたしは、ある死刑囚の方の支援をさせていただいている。
しかし、交流者ではないので(※交流者など処遇についてはこちらの記事を参考にしていただきたい)交流者の方に協力してもらっている部分がある。


先日、死刑囚の方が、もう服がない、ユニクロのステテコ(リラコの男性用?みたいなやつ)でいいので欲しいというので、いつもお世話になっている気持ちをこめて、何枚か購入して交流者へ送付した。そして、他の郵便物とともに交流者から拘置所へ送付してもらう手はずとなった。
ちなみに、主人のアイデアで、洗濯ネットをおまけにつけてみたが、それはあっさり不許可になった上、洗濯ネットはすでに使用しているらしい。

洗濯ネットで太刀打ちできないなら、もう本当にどうしたらいいかわからない。
東京拘置所はどんだけ強力な洗濯機買ってしまったん・・・?

それはさておき、何日経ってもステテコが死刑囚の方へとどかない、と連絡がきた。
交流者の方は「確かに送った」というが、拘置所職員は「そもそも郵便物の中に無かった」の一点張りらしい。

わたしは、わたしが書いたちょっと死刑囚の方の名前が入っているようなメモが、拘置所に切り取られて捨てられたり、一生懸命書いたメールが黒々と墨塗りになってしまうということはよくあることで(もちろん伝言行為はない)、差し入れ品がどこかへいくことなどよくあることだと思ったので、ステテコを購入したお金が勿体無かったなあ、と半ば諦めたが、今回は死刑囚の方と交流者の方が粘った。粘って職員に何度も確認をさせた。
粘り続けたら、ある職員が、独断でステテコを別にして放置していたらしいということがわかり、謝罪して差し入れられたということでほっとした。

一体なんの意味があった一件なのかわからなかった。
怪しい差し入れ品なら、「今調べているからちょっと待って」って言ってもらえれば済むはずだ。今回は、調べようとしたのかわからないけど放置している職員から他の職員へ申し送りがされておらず、拘置所側から「そもそも無かった」と逆ギレされる始末になったようだ。

本当に、一体なんの意味があった一件なのかわからなかったけど、書いていいみたいなので書いてみました。


ステテコがなるべく長く拘置所の洗濯機に耐えられるように、祈ります。


本日は以上です。