2015年9月10日木曜日

塚田穂高「宗教と政治の転轍点 保守合同と政教一致の宗教社会学」



個人的にお勧めな本について、「本」ラベルで綴っていきたいと思っていたのですが
わたしの表現力が乏しく、感想は基本的に「この本、よかった!お勧め!」しかないのです。

でも、本を読んで事件を学ぶことはとても大切です。
いろいろな本が出ていて、いろいろと情報をおさえた上での考察がお勧めです。
わたしは、事件に興味を持ってから、図書館やamazonでかたっぱしから「オウム」「麻原彰晃」と検索してヒットしたものを読んできました。

この本は、2015年4月に発売されました。
地下鉄サリン事件から20年を迎えてから出版される本は、なにやら今までの本とは違う雰囲気があります。
この本は、タイトルからわかるように、オウム真理教だけではなく、新興宗教・新新宗教など様々な宗教と政治を絡めて論じられています。

第6章 オウム真理教=真理党ーシャンバラ化の夢想、ハルマゲドンの回避ー にオウム真理教について論じられています。
オウムの裁判の結果では、「麻原は参院選落選をきっかけに武力革命に思想を転じた」とされていますが、「麻原彰晃の誕生」にもあったように、麻原は、1984年に「オウムの会」を立ち上げ、その翌年には「地球が危ない」「ハルマゲドンが起こる」など「ムー」や「トワイライトゾーン」に記述し、麻原自らが神に選ばれた存在であることをアピールするとともに、反社会的思想も見え隠れしていました。

 オウムと麻原には、その当初から、その運動(政治進出)を方向づけるような強い国家・社会観、ユートピア観といった理念が確かにあり、繰り返し表明されていた。本章では、そのことを明らかにし、それと政治進出との連関を示したい。(本文より)

オウム真理教の歴史・事件を宗教的・政治的に丁寧に紐解かれた記述で、大変興味深い内容でした。


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