上祐さんは、よく自分の事を、麻原に騙されてた、マインドコントロールされていたみたいに表現しますが、わたしはそれは疑問があります。むしろ騙す側だったんじゃないかと思っています。
質問があったので、自分なりに整理して考えてみました。
でもわたしは専門家ではないただの主婦なので、間違った情報や考え方があるかもしれません。その際はご指摘くださると嬉しいです。
1986年、早稲田大学生だった上祐さんが入会します。
1987年、オウム真理教と改称され、宗教色の強い団体になります。この時、古参のヨガ教室のノリで通っていた人たちはほとんど辞めました。上祐さんは修行の熱心さや英語能力などを買われ、麻原の右腕となっていきます。
1988年に事故が起こり死体を隠蔽、1989年2月に教団内で殺人事件が起こります。二つとも麻原の指示で行われました。この二件には上祐さんは関与していません。
そして、1989年11月、坂本弁護士一家が失踪(5年越しで殺人事件と判明)します。この時の状況証拠から、オウムがやったのではと言われますが、麻原の指示で上祐さんはスポークスマンとして、関与を否定する役目をこなします。
事件前、上祐さんは、教団を糾弾する役目をしていた坂本弁護士に、同じ教団幹部の青山、早川と弁護士事務所で面会し、喧嘩別れしたと言われています。家出同然で出家する若い信者たちに、家族が心配し、その支援をしようとしたのが坂本弁護士でした。坂本弁護士は、上祐さんたちの、宗教的な主張を否定し退け、家族と信者の関係を修復するよう指摘しました。上祐さんたちはその話を麻原へそっくり話しました。そこで、麻原は殺意を覚えたと考えられます。
坂本弁護士一家が失踪した時、上祐さんは実行犯ではありませんでしたが、他の幹部の様子を見て、事件を起こしたのではないかとほぼ確信していたようです。しかし、教団を守るため、マスコミに嘘をつき続けました。
1993年、サリンを製造して日本中にまこうという計画が持ち上がり、サリンプラントの最初の建設責任者に上祐さんが任命されました。しかし、のちに村井秀夫に役目が引き継がれ、実際には製造していません。
また同年、亀戸のオウム道場で、異臭事件が起きます。これは、麻原の指示で、上祐さんが責任者として、人を殺傷する目的で未完成の炭疽菌を噴霧しました。炭疽菌は製造に失敗していて毒素はありませんでした。
上祐さんは、1992年からロシア支部に派遣されていて、93年以降、ロシアでの布教に専念していました。そして、1995年3月に地下鉄サリン事件が起き、坂本弁護士一家事件の時のように、教団を守るため、日本に戻りマスコミに嘘をつく広報部長をこなします。
このように、上祐さんと麻原は教団のごく初期から密接な関係にありました。
教団が宗教へと変貌し、マインドコントロールや洗脳の研究をして、信者を獲得してゆく際に、積極的に賛成し、アドバイスをし、教団のために働きました。麻原は、上祐さんに、自分の息子のようだ、と声をかけたと言われています。麻原は上祐さんをとても気に入り、ホーリーネームにもマイトレーヤという、未来仏を指す名前を与えました。麻原がいなくなっても、上祐さんが中心になって教団を広めてくれるだろう、という意味にもとれます。
また、1990年にオウムが衆議院選挙に出馬した時、上祐さんは麻原に直接、選挙なんて落ちるに決まってるじゃんというような苦言を呈したと言われています。これは、そういうことが言い合える関係だったという事です。普通の信者なら、麻原におそれをなして言えないか、麻原にめっちゃ嫌がられて厳しい修行に入れられたり、最悪ポアされます。
このように、上祐さんと麻原、教団の沿革を見てゆくと、上祐さんは「ただ騙された側」ではない事がわかります。ご自分の著書にも書いていますが、麻原に信頼されていて、教団のためなら反社会的行動にも出るような、最初から教団に関与し、人を騙し、信者を獲得し、社会に嘘をついて教団を守る側だったのではないかと感じます。
それを、今になって、自分は騙されていたと証言するのはいささか違和感を抱きます。
また、サリンプラント製造、炭疽菌噴霧未遂は明らかに殺意があってやったので、立件されていませんが、明確な殺人未遂といえます。
上祐さんがご自分の過去について、騙されていたと偽称し、宗教色を隠し、新しい信者を獲得しようとするのはいささか疑問です。まずは事実に基づいて総括し、謝罪し、自立して働いたお金で賠償をするべきではないでしょうか。
などと書いて、新規信者の獲得を阻止していたら、わたしもポアされてしまいそうです。
このごろ、ツイッターとかで散々誹謗中傷を受けていますが、その程度で済めばいいなと思っています。でも、同世代やわたしより若い人たちが、事件を知らないからとうまいこと騙されて、利用されてしまうのは見ていられません。
ちなみに、オウムが人を騙すのは、麻原が説く密教の考え方に依ります。
教団の最高指導者=グル に付き従う事が絶対である、ということは、グルが人を騙せ、人を殺せ、など一見反社会的な指示を出したとしても、それは魂、宇宙的な世界からみたこの世の真理からすると正しい事になるので構わない、という考え方です。
わたしは宗教をやっていないので、このような考え方が正しいかどうか分かりません。
しかし、目の前の人を助けず、むしろ騙して心を傷つけたり、殺傷したりするのが真理だとは思えません。
仏教のいろいろな教えを読んでいると、自分の足元は自分で照らしなさい、と、人に構う前に、まず自分で自分をちゃんとしましょう、人によって能力は違うので、自分が出来ることの精一杯の優しさで日々をこなしましょう、という、日々の生活の素晴らしさ、自分と周囲への感謝の気持ちで溢れていて、よく見た事もない宇宙とかそういうのの前にやることがあるのではないかと思えます。
本日は以上です。