2015年8月6日木曜日

ブラック企業の思い出

さーとしーさんがブラック企業の洗脳から解かれて復活した。
http://ameblo.jp/h29d75/entry-12058644499.html


それで思い出したのですが(というか定期的に思い出されてわたしの頭をもたげるエピソードなのですが)、わたしもブラック企業みたいのに少し関わったことがあるのです。


10年・・・・・くらい前ですかね・・・・・・まだ学生でした。

当時いろいろなバイトを掛け持ちしていて、その中で、今は亡き、派遣会社グxxxxルに登録していました。

グッxxxルについては、一時期かなりニュースになってぶっつぶれたので、ご存知の方も多いかと思います・・・


もうどのような仕事だったか忘れましたが、確か、1日だけ工場に派遣されてバランをひたすら並べるとか、そういう仕事だったかと思います。


わたしは、その頃は、ほんっとうに世間知らずのカマトト女でした。


ただ、なんとなくグッxxィルに登録して、言われた派遣先へ行って、言われたことだけして、お金をもらって帰るということになんの違和感もありませんでした。



ある日、ア・・・・アなんとかという消費者金融へ、グッドxィルから派遣されました。


※本当に店舗名は忘れましたが、たしかアなんとかだったかと思います。





そこではティッシュ配りの仕事を命じられました。

店長っぽいおじさん曰く

駅前でティッシュを配ってきなさい。

ティッシュの裏にスクラッチカードが入っているから、できるだけその場でやってもらいなさい。

それで、お客さんが当たりを出したら、「店舗に来てください、景品を差し上げます」といって店舗へ誘導しなさい。

スクラッチカードは全部当たりなんだけどね(笑)


わたし「はぁ」


おじさん
昨日の子なんて、こんなに連れてきたんだよ!


おもむろに紙を見せてくるおじさん
「13」と書いてある

わたし「はぁ、すごいですね」

おじさん
キミも頑張ってね!!
10人以上連れてきたらお給料上乗せだから!!

わたし「はぁ」





ということで、わたしは、お給料上乗せされたらイイなぁなんてぼんやり思いながら、街頭に立ちました。


そこはものすごく田舎の駅で、人なんてほぼ通らないので、たまに来る人にティッシュを配りつつ時間を余らせていました。


近くのホストクラブのお兄さんが、なぜか昼なのにウロウロしていて、話しかけてくれたりしました。仕事後遊ぼうよ〜などと言われましたが、わたしがあまりにイモかったからか、忘れて帰っても何も言われませんでした。


サラリーマン5〜6人が連れ立って通りかかったので、ティッシュを配り、スクラッチをしてみてくださいと言ったら

「あぁ〜・・・またね」

という気まずいかんじで去って行きました。


なんだか全体的に、バカにされているような感じになってきました。
一体わたしは何をやっているんだろう・・・

そう思っていた矢先、おばあさんが一人通りかかりました。

おばあさんにティッシュを渡し、スクラッチをしてもらい、当たりの人は景品があることを説明すると、おばあさんは何の疑いもなく、わたしの誘導のまま、店舗へ入って行ってしまいました。








結局、わたしはその日、そのおばあさん一人しか誘導できませんでした。

店長は残念そうでしたが、なぜだか直感的に、この店長はまたわたしの実績に「1」を書き足して明日のバイトを騙すのだと思いました。

正直、あんな人のいないところで、あんなバカにされた雰囲気で、そんなにたくさんの人を連れてくるなんて無理じゃないかなと、さすがのカマトト女も思っていました。

上乗せは残念だったけど、基本のバイト代は変わらないのだから、と思い直し、給料を受け取って帰りました。




その後、友人から、そのバイト先の評判が悪く、みんな行きたがらないということを聞きました。


給料もらってやるだけなんだから、いいじゃないかと思いました。


そもそも、わたしはそのとき、アなんとかがどういうお店なのか詳しく知りませんでした。






それから、社会人になり、歳をとって、理不尽なことにたくさん直面して、いろいろと考えたり、経験してゆき、そしてオウム事件に出会い、調べてゆくうちに、ふと、このバイトの出来事を思い出し、わたしは戦慄しました。





やらかしとる、わたし











あのおばあさんはどうなったのだろうか




無理やり借金をさせられたりしていないだろうか




最近知ったのですが、「ボケはじめのおばあさん」というのは、詐欺のカモになる

多少の物忘れと判断力の低下以外は、普通に生活しているので、家族が知らない間に借金を重ねたり、リフォーム工事などで騙されたりするのだ。


わたしは、その詐欺の片棒を担いでしまった






本当に申し訳ないことをした、という気持ちが止まらなくて


消費者金融を見たとき、バイト募集の広告を見たとき、いろんなときに思い出す。


本当に申し訳なかった。


おばあさんの大事になっていませんように。


そしてもう騙される学生がいませんように。



今、わたしは福祉の仕事についているけど、

そのころの懺悔のような気持ちも結構あります。




本日は以上です。

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