2015年10月5日月曜日

渡辺 脩, 和多田 進「麻原裁判の法廷から」

冤罪と信じる人が多かった奥西勝さんが、獄中死された。

名張毒ブドウ酒事件の奥西死刑囚が死亡 再審請求中:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASHB27V75HB2OIPE03G.html

悲しい。

10月2日は、フォーラム90による「響かせ合おう 死刑廃止の声2015」というイベントがあった。
https://www.amnesty.or.jp/get-involved/event/2015/1003_5520.html
わたしの大好きな、辛口講評の死刑囚の表現展も開催されていた。
行きたかった。今は体の自由がきかない。「オウム」「死刑囚」と聞いたらすぐイベントへ飛んでってた頃が懐かしい。
死刑制度については、一概に大反対とは言えない。
単に死刑囚と知人だから反対したい、という気持ちもない。
彼らには、常に自分の罪と向き合っていてほしいと思っている。
人が人を裁くことはおこがましいと思う。目には目をという考えも古いと思う。
国際的にも批判があるというが、諸外国と比べて日本の司法はどうなのだろう。
いろいろと考えてしまう。
そんな中、奥西さんが亡くなった。
奥西さんの再審をしないことで、被害者も、加害者も、誰も得をしない。得をしたのは、司法側であり、その行程も結果も間違っているとしか言いようがない。わたしたちの税金は、間違っている人たちの間違っている行程と結果に使われてしまった。

多数決、名誉、権力で正義が決まってしまうのだろうか。
でもわたしはその正義を覆すことができない。無理だ。
情報を知ること、発信すること、考えることなら出来る。
幼稚で世間知らずでも、やらないよりマシなのかもしれない。
いろいろぐるぐる考える。



1998年出版。
麻原裁判において、弁護人をつとめた渡辺脩弁護士と、ジャーナリストの和多田進氏の対談形式の本。

出版年が古いけど、今読むと弁護の現場の臨場感が伝わって来る。
「もうこういう判決と決まったからこうだ」という見方はしたくない。
どのような方針で、麻原氏を弁護しようとしたのかをうかがい知ることができた一冊。


印象が強かった部分
①弟子たちが事件を実行したことと、麻原氏が命令を下したところが有機的に結びつかない。
②坂本弁護士が失踪した同年から岡崎一明氏をマークしていたのに5年放置したなど、警察の怠慢。
③リムジン謀議を井上証言のみで立証するのは難しい
④重要な幹部だった石川公一氏が何も語らず消えた、無罪なのはおかしい

①について。
これこそまさに、宗教的観点から見るべき視点だった。
オウム真理教では、弟子は、グルに全て・・・行動も、転生をも委ねることとされていた。グルが殺人を命令したら実行すべきだ、という説法も何度もされていた。一見、理解できないことを平気で実行するに至る心理、マインドコントロール、時に洗脳・・・という観点からみると、麻原氏の罪は十分に立証される。


②について。
警察は、坂本弁護士事件でも松本サリン事件でも怠慢し、オウム真理教を止めることができなかった。高橋シズエさんは、国松元警察庁長官から坂本事件が早く解決していれば、と責められているが、我々が事件にもうちょっとつっこんでいれば、と思う。その通りだと思う。どうしようもない。警察としては一言も弁解しようがない。(脱カルトシンポジウムでの発言 http://akaneyamada03.blogspot.jp/2015/05/2013622.html)と言われたという。


③について。
さらに、井上氏は一貫して「リムジンの中ではサリンをまくことと決まってない」と主張している。他に謀議をしていたメンバーは故村井氏を除き語らない。難しい。


④について。
石川氏については、あまり資料がないのでわたしも分かりかねている。
重要な幹部だったのかもしれないし、違うのかもしれない。
でも何も話さず主張せず、無罪放免で所在知れずなのはちょっと無責任なのかもしれない。
NHKの未解決事件という番組で、麻原の説法テープを寄贈したのが石川氏だという噂がある。あくまで噂である。NHKがあの番組で活かせたかというと、微妙といったところだけども。


現在の解釈とは少し異なる、弁護人からの視点が興味深かった。



こちらの本の方が、主張がまとまっているかも。



参考リンク:滝本弁護士ブログ「麻原さんの答え-沈黙」
http://sky.ap.teacup.com/takitaro/1605.html

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