「極限芸術2 死刑囚は描く」が広島県福山市クシノテラスで2016年8月29日まで開催されている。
http://kushiterra.com/gallery/2016/03/74.html
そして、先日この展覧会のパンフレットが発売開始された。
http://kushiterra.base.ec/items/3440347
かつて、死刑囚の作品をここまで丁寧にまとめたパンフレットがあっただろうか。
作品たちは綺麗に撮影され、印刷されている。圧巻。
宮前一明さんの「糞僧衣」(宮前さんが獄中でぼろぼろになるまで着用していた下着)も、撮影でつぎはぎがよくわかるようになっている。
作家の田口ランディさんと多摩美術大学教授の椹木野衣さんの論考もとてもよかった。
特に、田口さんは実際に死刑囚と交流をしているため、その処遇の理不尽な様子がよくわかる。
松本健次さんに知的障がいがあることは存じていたが、拘禁症状がひどくなっているとは知らなかった。
他にも、拘禁症状が悪化している人はたくさんいる。心配でならない。
死刑囚の作品をみて、描いた人の背景などを読んでいると、その人ひとりが悪い奴で、そいつのせいで事件が起こった、というわけではないように思えてくる。
ただの善悪で判断するわけでなく、例えば犯人の生育歴や当時の環境など、さまざまな因果が絡み合って、悲しい出来事につながってしまったのではないか、と、事件についてのさまざまな文献を読んでいてもそう思えてくる。
私は、もっと死刑囚と語り合いたいと思う。
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