2015年4月30日木曜日

4/16(木)やや日刊カルト新聞社主催 オウム事件欠席裁判!@ネイキッドロフト

書き起こしです。
話し言葉なので、多少わかりやすく編集しました。
動画はこちらです。http://www.ustream.tv/recorded/61170190
名前部分の敬称は略させていただきました。



4/16(木)やや日刊カルト新聞社主催 オウム事件欠席裁判!@ネイキッドロフト





藤倉:どうもこんばんは。やや日刊カルト新聞の藤倉です。今日はあの、カルト新聞史上、最もまじめなイベントになると思います。みなさんは、ロフトに来たことは?

藤田:来たことないよ〜

滝本:あ・・私は・・

藤倉:あの滝本さん以外は、ロフト初登場ということで。
ではパソコンをつなぎます・・(ゴソゴソ)

滝本:時間空いちゃうと・・ねぇ、オウムの歌でも歌おうか?

(一同笑)

藤倉:ちょっと浮いていみせていただいたりとか・・

(客席:ハハハ)

滝本:このところ修行してないから・・

藤倉:すいません、まもなく終わります。ようやくでました。お待たせしました。
今日はですね、欠席裁判ということで、裁判官ぽくしてきたんですけど、模擬裁判にする気は全然ありませんので。ようは、悪口大会みたいなかんじでいきたいと思っていますので、ちなみに今日批判される予定の方で、来ていらっしゃる方いますか?上祐さんいますか?森さん?大田さん?・・いらっしゃらないですかね、あと誰だっけ、平野さん?平野さんも、いないか。テレ朝さんとか、NHKさんもいないか、はい、予定通り欠席裁判で、始めたいと思います。

えっと、今日検察官役ということで、順番に、ご紹介させていただきたいと思います。

藤田庄市さん、東京都生まれ、ぼくとおなじ、某葛飾区生まれ、なんですけども、現代宗教、カルト、山岳信仰、民俗宗教、宗教と政治など宗教取材に従事。
「行とは何か」「熊野、修験道の道をゆく」「宗教事件の内側」などの著書があります。「宗教事件の内側」が、カルトに関することってことですかね?

藤田:そうですね、神様仏様ってのアスペクトから出したんだけどあの中にも1/3くらいあるかな、入手困難な。俺の本は売れねぇからすぐ・・(絶版)なんだけど、プレミアついてえらい高いんだぞ。それとあと、95年の4月中に書き上げたんだけど「オウム真理教事件」っていうのも。

藤倉:藤田さんはオウム事件とはどういう風に関わってこられたのかを・・

藤田:あたしはねぇ、あのー、91年の秋に、上祐さんがアンダーグラウンドサマディやるときに、SPAという雑誌で、宗教の、霊能の日にっていうタイトルで、その時取材にいったんですよ。その前に坂本弁護士さんの事件があって、その関係でいろいろきかれてたんで、ハラん中はそれを踏まえていった。あの連載の中では、厳しい書き方だけども、いわゆる、普通のルポルタージュ的なもので、結果的には、オウムを応援しちゃったって言われてもしょうがないものかな。

藤倉:それは批判とかをしてなくて?

藤田:どういう体験をしたかとかそういう書き方で・・

藤倉:それはそういうのに興味がある人からしたら、おーこんなすごいんだっていう

藤田:そう見てしまうかもしれない。
ただ、連載の中で、『藤田さんはなんでこんなオウム厳しく書くんですか?』って言われたんだけど、あのね、あの時、『こいつら、人をだまくらかすな』って思ったのはね、覆面かぶって歩くの。朝ね。いわゆる経行(きんひん)ってやつ。俺がいったとき覆面外したの。そんで『今日は覆面外すぞ』とかゴソゴソいってんの。それはどういうことかというと、あの時、富士宮から上九まで覆面かぶって歩いてたんだけど、やっぱり子供が怖がるとかいろいろ言われてんの。そういうのが、隠す、っていうのに長けてる。
んで一緒に歩いてみたんだけど、行(ぎょう)やってますからあたしは。トップグループで経行したの。そしたらオウムの広報がえらい喜んで、入りませんかとか言われた。

藤倉:藤田さんは山岳に修行に出かけていますからね。

藤田:33年間近江で。御嶽も富士も。日本の霊山。

藤倉:あすみません、飲み物、食べ物を・・

滝本:オレンジジュースで

藤田:アルコールがいい!あー、マッコリ!

藤倉:あ、ぼくはコーラをお願いします。

青沼:(マイクに通さずなにか言う)

藤倉:そういう修行をやってる身からすると、オウムの人たちがやってることっていうのはちゃんちゃらおかしいって感じですか?

藤田:そうね、勝手にでたらめやってらぁって。

藤倉:ハハ

藤田:やたら厳しくしたらいい、みたいなね。行の基本を外れてるよね。

藤倉:基本?作法とか?

藤田:それもいい加減だったけど、やたら厳しくしたらいいっていうのがね、そりゃ厳しくしたら、なんか見たり聞いたりするよそりゃ(笑)
殺仏殺祖ってのがあるけど、仏に会ったら仏を殺せっていうね、あのー尊師に会ったら尊師を殺せっていうね、そういう基本が分かってねぇなっていう・・

滝本:フフフ

藤倉:難しくってよくわからないです・・(笑)
その後オウム事件のあとの取材は?事件化あと

藤田:それはすぐさま行きました。それで書いたのが「オウム真理教事件」、朝日新聞社の。
自分でこの事件について思うのは、要するに信仰っていうか宗教と、犯罪、非合法活動ってのが有機的に結合してるなって思うんだけど、そういう見方はメディアでは全然なかった。
そこに焦点を当てようとしたけども、あのー、そこのところで行き詰まって、いかに自分の宗教取材が浅かったかって反省しました。

藤倉:その辺は森さんへの批判とかNHKへの批判とか?

藤田:そうですね、その辺は後でということで。

藤倉:次は滝本太郎さん。まぁもうみなさん、ご存知だと思いますが、弁護士です。坂本弁護士一家殺害事件の直後ですか?当時は失踪と言われていましたけども、そこから関わっていかれたと。今日のイベントの趣旨というのは、ぼくとしては、地下鉄サリン20年ということで、最近言葉を発している人を中心に批判しなきゃなと思っていたんですけど、さっき滝本さんと楽屋で話してたら、『いやダライ・ラマが一番悪い!』っていうんですよね。フフ、多少長くなってもいいので、そのへん、総括にもなると思います。

滝本:あの、滝本太郎といいます。生き残ったものです。

青沼:フフフ

滝本:私の車にサリンまいたのは、17の女の子ですよ、マハームドラーダーキニーって、私は尊師の愛人ですが?っていう。他にもいろんな修行を・・空中浮揚写真は?(後ろのスクリーンを見て)あ、あるか

(会場:笑)

滝本:95年当時、私はテレビによく出ましたが、やはり在家信者にやめてもらいたいから出したんです。麻原は3秒とべたといいますが、私は15秒とんでるんですよ。

(一同笑)

滝本:ああ笑いがでた。とある高校でこの話したら、笑いが出なかったんですよ、テレビに出てたころに、滝本なら危ないことはないと、弟子入りしたいってのが2人きたことがあった。まじめな。病気の方じゃなかったです。純粋まっすぐくんが多いんで。他のカルトもですが。ほんとにイイヤツです。
林泰男、彼は8人サリンで殺しましたが、彼の死刑判決文で「被告人にとりたてて問題はなく、およそ指導者を誤ることほど被告人にとって不幸かつ不運なことはない」と死刑判決にそう書かれているんです。すごい話です、そういう事件でした。
そういうオウム、他の破壊的カルトもふくめて、笑いとばすというこのスタンス大好きです。

藤倉:あ、ありがとうございます(笑)

滝本:小林よしのりさん、オウムを笑いとばす漫画をつくりました。ただちに攻撃されて危なかったです。私は空中浮揚したから狙われたんです。本当そうですよ。彼らは笑いとばすというスタンスがいちばん許せないんです。しかし一番の打撃になるんです。笑い話もいっぱいあるんでね、そういう中にサリンもあり、VXもあり・・麻原とちょっと面会するだけで、本ちょっと読むだけで笑いとばすべき存在を本気で信じてしまう人たちがいる、ヨイショする人たちがいる。
とある被告人と面会して聞きましたが、チベット政府は麻原から1億円ちかくもらっています。ダライ・ラマと写真とって、富士宮にえらいお坊さんがきた。これが権威として利用されている。それで結構入ったわけです。それから、中沢新一さん。「虹の階梯」という本を出すのは構わないです。しかし坂本弁護士事件のあとマスメディアに出て、麻原と一緒に写真をとってヨイショしてる。それが許せなくて。笑いとばすべき存在に。荒俣宏もそうですよ。

藤倉:ビートたけしもいましたよね。

滝本:ビートたけしは「教祖誕生」って映画作ってますからね、それでちょっと罪滅ぼししたかなと。
結構みんなに、被害者のためにお金出してって以来したんです。チベット政府は一億円近くまだ全然返してない。私は非常に怒っております。

藤田:今、麻原三秒って言ってたけど、麻原法廷で証人にでたとき、なんか麻原が(証人する滝本さんに)言ったらしいんだよね、そしたら滝本さんが『達磨8年麻原3秒!』って(笑)あれすかさず言ったけど、考えてたの?

滝本:もうあんまり覚えてない(笑)

藤倉:すごいですね、とっさに出る言葉じゃない(笑)

藤田:あれおかしかったなぁ(笑)因縁ふっかけてきたんですか?

滝本:横でぐちゃぐちゃ言ってましたけどね、ただね、後ろで麻原の子供が、次女なんかがいるところで、『あんたは死刑になってくれ』っていうのは、やっぱり辛かったですね。松本智津夫、八代(熊本県)の方にね、行ってきましたけど、ご兄弟ともあってきましたけど、子供をどうするか相談しに。彼が遊んだであろう、球磨川のところで転んだりしましたが。悲しいやっちゃな、と思います。

藤倉:さっき名前が出たりしていましたが、島田さんとか、その辺の人たちがオウムヨイショした頃って、坂本事件があったころで、オウムあやしいんじゃないかって、何にもネガティブなことがないのにヨイショしたってのとはちょっと違うっていうところがですね、実は今後のカルトとの付き合い方として考えなきゃいけないポイントなんじゃないかと思いますね。

滝本:間違いは誰だってあるものですから、さっきの藤田さんだってそうですし、その時に気づくかってことなんですね、間違ったことが分かった時に、吉本隆明などもね、けして評価を下げなかったまま、口をつぐんだまま、というのはおかしいと思います。山折哲雄なんか『麻原さんの写真を見て、全体の印象が大本教の出口王仁三郎のようだと思いました。でっぷりしていて、おっとりしていています。あくまで求道者ですよ、その時代の常識や価値観とかに根本的に挑戦してくる、それをしなければ宗教の意味はないですよね』と山折哲雄氏は言ってるんです。そのあと口をつぐんで、テレビで一緒にでたとき『私は太っている人が宗教者なのはおかしいと思います』と嘘ついたんですよ。そういう無責任なところがひどいなと思っているんです。

藤倉:その中で島田裕巳さんだけが、ワリを食ってしまったという感じが。

滝本:島田さんは95年のサリンのあったときの1月に、オウムの第七サティアンにいってね、ハリボテの像を見てますからね。
島田さんはそれで宗教学者の幹部を外してくれと私もお願いして、女子大をクビになったけど、洞察力がなかったことが証明されたんだから、嫌がらせがあったからやめるんじゃなくて洞察力がなくてやめるんだから当たり前だと思います。島田さんはそのあと「オウム」って本書いてそれなりに総括してましたから、こないだも飲んだりしましたし。
中沢新一はなんら反省していない。事件の後も「一万人、二万人死んだら違ったかもね」とこういうこと言うわけでしょ、ひどい話ですよ。その中沢新一が、宗教学、人類学をしているのはおかしいと。荒俣宏も、国本真一郎氏も、田原総一郎氏も。みんなよく平気でいられるなと、島田さんだけが、いちおう総括したと思います。

藤倉:その辺の宗教学者のことは、ぼくと同い年の大田俊寛さんなんかも後ででてきますからね、その時にでもね。

藤田:島田さんって滝本さんがおっしゃったように、平田信の公判の時に、永岡さんとバッタリ顔を合わせたの。そんで永岡さんはああいうパーソナリティの方だから、率直に・・

藤倉:永岡さんはオウム被害者の会の方ですね。

滝本:今は家族の会ね。
島田さんはこないだ記者クラブで会見した時にも、マインドコントロールということをまだわかってないなと思いますね。ダミーサークルってのは95年3月からできたと思ってて、それ以前からあったんだけど島田さんはまだそういうこと知らない、情報不足だなと。

藤田:あのー・・途中まで言ったから最後まで言わねぇのはマズイと思うんで言うけど、永岡さんがね、率直に『あなたの本を読んで入信したりする人が増えた』と言ったんですね、そしたら『それは読む人の問題ですよ』って言ったんですね。だから、あーこの人、ほんとに反省してないなってのは、感じましたね。

藤倉:次に青沼陽一郎さん。 青沼さんの名前は、テレビでみなさん
カルト関係で目にするのかなと。オウム関係は、裁判?

青沼:あのー、全然カルトという観点ではなくて、裁判の取材で、全然宗教には詳しくないんです。むしろ裁判の中でのおかしさとかね、こんなことを裁判でやるのか?っていうことの驚きですよね、そこをちょっと、社会良識の鏡と言われる裁判で、真剣にハルマゲドンの事を主張する信者とか、どなる裁判長とか、そういうぐっちゃぐちゃの時代の裁判を見てきて、それがぼくには漫画に見えた、っていう。他にも裁判とかはやっています。

藤倉:フジテレビ系列の法廷漫画シリーズは、あれは絵やナレーションも?

青沼:そうです、ぼくが絵を描いて、構成書いて、声やって・・ちなみに麻原の声もぼくやってます。

(一同笑)

青沼:これほんとの話なんだけど、アニメージュで、ノンフィクション界の宮崎駿って言われてるんだよ、声優でも名前でて。代表的役柄、「麻原彰晃」って。

(一同笑)

滝本:95年裁判始まって青沼さんが傍聴記録をまんが にして出してくれたんですよ、それが「青ちゃん新報」っていう。それがアニメに結実した。アホらしいけどもそん中に恐ろしいものがあるということを表現してくれた。

藤倉:最近、ブログを始めた?最近でもないかな。きっかけはまた聞こうと思いますけども。
すみません(スクリーンに青沼さんの著書「オウム裁判傍笑記」が映される)これ、出してなかった。

藤田:これは貴重ですよ、今までこんな見方なかったから。オレと対局だけどね。ハハハ

藤倉:あれですよね、オウム全盛期だったら、ポアされてる・・

滝本:ま、ポア一号でしょ

青沼:それこないだ、滝本さんに言われた・・

藤倉:あ、すいません最後に裁判長役でボクの話をざっくりと。早い話がですね、地下鉄サリン事件の頃は、ぼくまだ札幌で学生やってまして、2000年まで学生やってたんですけども、7年くらいいたんですけども・・オウム事件ってテレビを通してでしか、知らないんですね。もう20年前なんで、事件を知らない人が成人したりしてるんですけど、ぼくの自覚としては、ぼくもオウムを知らない世代だという、自覚で、ほとんどオウム事件の取材ってできてない。上祐さんは、ロフトプラスワンのイベントにでて、上祐さんに『どのツラ下げて今更宗教とかやってんだ』っていうような話をしたりとかですね、そういうちょっといじくるくらいのことしか、できてないんで、今日は、みなさんの話にのっかろうと思うので、よろしくお願いします。
今日はですね、被告人・・さっき言ったんですが、ものすごくいっぱいいたんですけども、最近、サリン事件以降にもかかわらず、まだヨイショするひとがいるということで、その辺ピックアップしました。
森達也さんは、ヨイショしてるとはちょっと違うかもしれないけど・・

青沼:ま、嘘つきでしょ

藤倉:嘘つきですね(笑)あその辺はオフレコの時いってくださいね。
ネット中継、切ってから・・(笑)
最初は平野(悠)さんなんですけど、みなさんご存知の。
上祐さんに心底惚れ込んじゃってて、上祐さんの『オーラがすごい』とかいって、聖地巡礼ツアーにもいって、ロフトの「ルーフトップ」って情報誌があるんですけども、そこにレポートしたりブログにのっけたり、facebookに書いたり、すごくハマっちゃったみたいなんですよ。

藤田:平野さん、聖地巡礼のどこが良かったんですか?(どこかに話しかける)

藤倉:ん?いる?

藤田:あ、いないか?

藤倉:上で今日、ロフトラジオの放送があるというのを口実に逃げました。残念。
で、2010年に、ここですね、ここで上祐さんと、野田成人さんとか、あのー、広末さんとか、あとだれだっけ、あ、鈴木邦男さん、あと岩本太郎さん、でイベントやって。
その時ぼく、後ろで見てたんですけども、最後鈴木邦男さんが『上祐君は国の宝だ』とか言い放ったりして、壇上はもちろん、フロアからもね、上祐テメーこのやろうっていうひとが一人もいない、非常に和気藹々とした、当事者たちが語る、それはそれで面白かったんだけど、岩本太郎さんが『ここでね、罵声のひとつでもとんでこないって、時代変わったんだなぁ』ってことを言ってて。
ぼく質問して『いや罵声がとばないってことは、事件が風化したってことじゃないですか?』とか、ツッコミ入れたりとかしてたんですけども、そのイベントあたりから、上祐さんがロフト系列のお店にちょくちょく出たり、鈴木邦男さんと出たり、有田さんと本出したときはその有田さんと出たりしてたんですけども。
そのきっかけを作った平野さんは、反省はしてるんですね。『売り出しちゃったのオレだな』って。最近は距離をおいてね、聖地巡礼もいってないみたいなんですけど、あの第一印象、オーラのすごさは、あのファーストインプレッションを忘れられないんだみたいなことを、いまだに言っててですね。つい一月前くらいのことですけども。
ぼくの上祐さんのファーストインプレッションってのは、嘘つき。嘘つきってのが第一印象で、まそこで仮にぼくにオーラが見えて、上祐さんがすごいオーラを出してたとしても、オーラがすごい嘘つきになるってだけなんですけどね、っていうとちょっと平野さん困った顔してしまうみたいな。でも平野さん『俺は最初だけだ、あとは俺の部下たちが勝手にやってるんだ』みたいな(笑)

藤田:島田裕巳さんみたいじゃないすか

藤倉:『弟子の暴走だ』っていう・・

青沼:麻原じゃん

(一同笑う)

藤倉:まぁそういう方でございます。ま平野さんについては、今日の出演者のお三方があんまりご存知ないので、いちおうそういう方がいらっしゃいまして。その方がオーナーであるお店で、我々はイベントをさせていただいているんですよ、っていう、ことをプロローグに入れさせてもらいました。

藤田:「一人ひかりの輪」か。

藤倉:「一人ひかりの輪」ですかね(笑)

滝本:笑いとばす感覚でやってたかと思ってたけど、そうじゃないんだ(笑)

藤倉:平野さんはですね、もともとオカルト大好きな方なんですよ。
ぼくは会うたんびに、個人的な趣味で好きだってことと、それにハマっちゃうひとを作っちゃうのは違うっていうんですけれども、どうしても、『オーラがすごい』っていうファーストインプレッションをなかなか拭えない、ってことをひたすら言ってました。まぁ反省はされているので、これ以上何かやらかすことはない、と思いますが。
上祐さんのイベント自体はこのロフト系列でちょくちょくやっていまして、先月の二十何日かくらい、サリン事件のあとも、ロフトの主催じゃないんですけど、なんか出版関係の方が、主催したイベントで、ぼくは全然来る気なかったんで、ネット中継でいいやって思って、見てたら、上祐さんのとこだけネット中継きりやがってですね、なにしゃべってたのかよくわからないという(笑)それがこの、ロフトというお店でございます。

まぁ一番、核になる、結局この上祐さんをどう扱うかってことで。
えーあの、フリップ投げが得意な方でですね、「ああいえば上祐」と言われていて、(スクリーンの写真を見て)これはまだ、ぼくが相手してもらってた頃、インタビューした時とった写真なんですけども。これはひどかったです。2008年のチベット騒乱のあとにですね、あるアングラ誌の編集者が『上祐さんにチベット騒乱語ってもらいましょうよ』っていうひどいことを・・(笑)この時の上祐さんは、チベットのことは実はあんまり知らないんですね。『チベットどう思いますか?』って聞いたら、『いやダライ・ラマさんはね、チベットに帰るとか独立とかそういう話ばっかりしてないでもっと環境問題について語った方がいいと思います』とか言ってて、いや自伝読んだらいっぱい書いてるし、環境問題でノーベル平和賞もとってるんですよ。自伝すら読んでない。チベットの宗教についてちょっとかじったかもしれないけど、チベットそのものについては、全然知らない人なんだなと。
あ、youtubeにフリップ投げの動画あるんですよ。懐かしいんで・・

(動画を放映する)

なんかね、上祐さんの悪口いうために、一緒にイベントでたときに、上祐さんにサインもらったんですよ。でそのサインを、フリップみたいにして投げるパフォーマンスやろうと思ったんですけど、今日忘れちゃいましてできなかったんですけども(笑)まぁ上祐さんこんな方です。
で、ぼくなりに罪状を整理しましたが、麻原信仰を表向きだけなのか本心なのか知らないけどとりあえず否定をしているけど、オウムの信者たちを率いて後継団体の代表を続けている。でぼくが一番ムカつくのはですね、なんでこういう団体をやっているのかと聞くと、『被害者に賠償するためだ』っていうんですね。そのために宗教団体である必要ないじゃないか、って言ったら、オウムの信者たちは、むしろ自分たちも被害者だと思っているから、宗教団体としてまとまらなかったら、賠償なんかしないんですよ、ってことをいうんですよ・・
それはつまり反省なんかしてない集団なんですよって自分でいっているようなもんなんで・・・どうなのかなと。
で、上祐さんがロフトプラスワンのイベントに出た時に、休憩時間に著書にサインをしている、お客さんたちに言われて。それが後で質疑のときに、サインっていうのは後ろめたさのないタレントとかががやるもので、上祐さんがやるのはいかがなものか、っていう質問が出て、その時上祐さんが口にしたのが、『こうやって少しでも本の販促になれば、その売り上げで、被害者の賠償ができるので』っていう、またそういうとこで被害者を持ち出すっていうね、そういうとこでぼくはものすごく・・悪いと思うんです。腹が立つ。

青沼:あの会見と一緒でですね、本質を外すんです。本質外しをして、これは救済のためだとかいう、っていう、このひとのズルいところです。
ウマいところでもあるとは思うんですけど・・

藤倉:ウマいですね。地下鉄サリン事件から20年でtwitterなんかで一般の方たちの意見を見ていると、『なんでこいつ他人事みたいに語ってられるんだ』って感想を書いてる人をみるんですけど、全くその通りで。ぼくが感じる上祐さんの問題点です。
青沼さんは、上祐さんに対してあの、偽証罪で捕まったという・・・

青沼:だから偽証罪で捕まって有罪判決受けてるやつが、じゃどうなの?っていう話ですよね。昔のおもしろい話でね、「うそつきに効く薬を開発した、それをうそつきにのましたら、みんな嘘がなおった」っていう話。つまり本当になおったかわからないんですよね、嘘つきにのますんだから。で同じことのような気がするんですよね。

藤倉:ま、薬飲んでないですけどね、ただムショから出てきただけっていう

青沼:じゃあ刑務所に入って、本質的なものがなおったかというと、さっき言ってた被害者のことを盾にする言い方をするところとか何も変わってない気がするし、あとメディアに出てくるけど、実は彼ってのはサリン70tの生成計画の責任者だったわけですよね。あと1993年だっけ4年だっけ、亀戸の異臭騒ぎがありますよね。

滝本&藤田:93年ですね

青沼:93年ですね、あの時亀戸道場っていう7階建ての高い建物があって、屋上にウォーターマッハっていう噴霧器を使って、そこから炭疽菌を撒こうとしてたんですよ、その責任者も上祐だったんですよ。

藤倉:うんうん

青沼:当時亀戸の住人たちが撮った写真を見ると、責任者なんだけど車ん中でシート倒して寝てる上祐の写真とか、みんな撮ってたりするんですよね。そういう事件に関わってたとことか、彼は言わないでしょ?聞いても答えないし。そういうところを裁判で明らかになっていて、そういったところとどう向き合っているかしっかり示してないってところが、ちょっと私もいかがなものかなと思いますね。

藤倉:それは示さないことによって、(地下鉄サリン)事件のとき、たまたまロシアにいっていなかったんだね、ラッキーだったねという見方をされてしまうということだと思います。

滝本:上祐は95年3月はロシアに行ってたわけですが、時には日本に帰っていて、94年にはLSDを使ったイニシエーションをやりに戻ってきたり、2~3回はやってるんですよ。
彼も薬物の体験忘れられないところがあるんだろうな、と思う。
上祐は第7サティアンの最初の責任者だったんです。
麻原は70t作るのに大きな工場を作ろうと言ったけど、実は上祐案というのがあるんです。
それはクシティガルバ棟で作った実験室を50〜100いっぱい買ってみんなで土谷のように同じように作れば、というこれが上祐案でした。
上祐案であれば、もっとできたと思います。
70tまでいかなくとも。そういう合理性がある。
そして平気で嘘をつく。坂本事件でも直後から教団の関与を否定していた。
わかっているのに嘘をつくのが上祐のワークね。
彼から電話がきたんですよね、出所した前か後に。一人で来いよ、教団から離れてから来い、団体でくるな、と言いました。
たまたま同じ大学なんでね、一人で来なと言いました。
黒澤明の「生きる」という映画を見てから来なとか、いろいろな話を電話でしたんですが、一人でくる根性ないんですよ、ほんとに、出家っていうのは家出の反対ですよね。一人で家出できないから出家するという人もいるわけで。
上祐も麻原を完璧に信じています。今も信じていると私は思っています。
観察処分というのが3年間ごとに更新されるんですが、三ヶ月ごとに信者の名簿を出さなきゃなんないんですね、それがやはり負担であると、その観察処分を外れるまで、上祐は嘘をつく。
嘘をつくのがワークの上祐で、そりゃすごいもんだと。
敵をだますにはまず味方からという考えもあるし。
私はもちろん、サリンの被害者とも交流あるわけですが、許せないんです、賠償をタテにしてやっているのが。
上祐がひかりの輪をやめるなら、入金額がぐーっと下がっても文句言わないですよ。
団体がなくなるならね。そのくらいの気持ちでいます『ふざけんな!』と。
上祐はその『ふざけんな』という気持ちを知っているのに無視している。それにまた文化人がのっかるという、困ったもんだーと思いますね。

藤倉:こないだアーチャリーが手記でましたけども、あそこでも上祐さん、アレフ時代に、表向きだけで麻原信仰を捨てるんだよ、といってアーチャリーの名前を勝手に使ったりして、アーチャリーを怒らせたという立ち回りをしたということが書かれていてですね、まそれが話半分だとしても、上祐って2000年以降そういうかんじで立ち回りをしてきて、その人が分派してそういう立ち回りをしてるんだというふうにモノを見ないと、いけないんだなと、単にうそつきだという人間性の問題だけじゃなくてね、立場性のものはずっと変わんないんじゃないかなと思いますね。

滝本:麻原は説法で、上祐は使えるやつだとわかっていて、よく人を見る目は麻原はあると思いますよ。
そういう能力はすごいと思いますよ。
『上祐は、お前さんは自立して、この教えを残すんだ、マイトレーヤとして』と、昔から言ってるんです。そして、彼は、やってるつもりなんです。
彼が2000年に出所してきて、『被害者は、守護者だと思う。殺されて今、麻原尊師に感謝している。だから、被害者に一応謝った形にしよう。』と提案したのは上祐です。
みんな殺されて喜んでいると。形だけ、賠償路線に。でもそんなことは中堅幹部にとってはできない。麻原家としても麻原の奥さんにとってもできない。
だから別れたんです。もともと嘘をついていこうというのが上祐案だったんです。
一生嘘をついていくのかなと思います。情けない人だなと思います。

藤倉:これは想像するしかないのですけれど、上祐さんっていうのは麻原のこと本当になんとも思ってないんですかね?

滝本:わかりません。
彼から後悔が見られない。普通の脱会者は後悔がみられますよ。

青沼:彼のホーリーネームはマイトレーヤですよね。
裁判の中で早川が言ってたんだけど、富士山総本部道場かなんかができたとき、麻原は『これで私もマイトレーヤの魂になれる』とかうんたらうんたら言ってたら、上祐が早川の後ろで『じゃあ私は何になるんだ?』とつぶやいたと。(一同笑)そういう矛盾を知ってても、彼の本質なのかなって気はしますけどね。

藤田:あの、実はいうと今日出ている上祐とか森さんとかいう人達は、個人的には僕、眼中にないんですよ。
つまり、人にきっちり対応できないのは、自ずと眼中になくなるんだけど、94年のアンダーグラウンドサマディの時に、インタビューさせろって言ったんだけど、嫌がったんだよね。で、土ん中から出て来た時、取材に来た人間を、教団の広報に利用しようとしてたらしくて、NHKと僕と、もう一社くらいあったかな。そいでマイクで聞くんだわ、だから答えなきゃいけない。
その時つくづく感じたのは・・・この男はあのー、こう応えたら相手はこう思うな、っていうのを計算しながら答えてるってのを、本当に強く感じたな。
こいつは信用できないと。僕にとっては、聞くのが神仏の話ですから、猛烈に敏感なわけですよ、これは相手にできないと思いました。
95年の事件以降でも、取材の対応をするときには、広報に交渉して荒木氏以外には頼むことなかったし、上祐氏の話聞きたいとは全然思わなかった。相手にする人間じゃないなと。

藤倉:信用できないっていう?(笑)

藤田:信用できないっていうよりもね・・

藤倉:話す価値もないってことですか(笑)

藤田:いやまぁ早く言えばね、全くその通りですね。

藤倉:その言葉をいくら聞いても・・・

藤田:何にもならないね。だから「17年目の・・・」っていう本読んでもね、虹を見たとか、21世紀の大黒柱になれっていう声聞いたとか、ま、麻原もアベツラケノミコトになれって声聞いたんだよね、まぁその前の「覚醒新世紀」なんて本当に麻原をなぞるっていうね、それしか能がねぇなっていうね。
だから、宗教体験も、マハーヤーナやなんかで出てるけど、つまりそれはオウムの人達の中で比較してる話なだけで。
新實なんてバカ正直に体験したとか・・・な、あと傲慢だよね。一瞬のうちにそう感じて・・・相手にしないね俺は。
メディアの一部はなんで相手にするのだろうね。

藤倉:当時の中の人の話を喋ってくれたというのを売りにしたいんでしょうね・・・

藤田:まあとでメディア批判のときに(また話しましょう)ね。

藤倉:はい。散々な言われようの上祐さんを、今ヨイショしてる宗教学者がいますよ、という話をしていきたいです。
大田俊寛さん。みなさんあまり知らないと思うんですが、ぼくも最近まで知りませんでして、2013年の上祐さんとの本で知ったのかな。

藤田:「オウム真理教の精神史」っていうのが、2012年かな、出たの。

藤倉:そのあとのこれ(雑誌「atプラス13」20128/8号)で上祐さんと対談して、真摯に総括しようとしてるから評価しようとしてますとか言って、それが今ひかりの輪のサイトに

藤田:今日いらっしゃってないの?

藤倉:大田さん?大田さんも返事はなかったんです。大田さんいらっしゃいますか?

藤田:いらっしゃったらここに来て・・・

藤倉:(笑)出席裁判にしますので・・・いませんね。
であの、ひかりの輪サイトってこんな著名人がこんな風にひかりの輪を絶賛してますよと紹介してるんですけど、そこにもご丁寧に名前がのっけられて宣伝に利用されてる人ですね。
であの、去年ひかりの輪の観察処分を、(ひかりの輪は)外してもらいたいわけですけど、外部監査委員会っていう、松本サリン事件の河野さんが委員長になってるですね、そこでひかりの輪の活動を調べて、問題ないよってレポートを出してる、だから観察処分の対象にしなくていいんだってのを去年の11月に出した。
その報告書にこの大田さんて人は意見書を出してですね、なんかすごく長ったらしくて、何が言いたかったのかわからない意見書でしたが、結論としては、観察処分を続けることがこのひかりの輪の健全な活動を妨げるんだというような結論にしたような、要するに観察処分を外してあげようよいうことを書いて結んであるような意見書ですね。そういうものを書いて、提出したと。
一方でですね、あの、こないだの高橋克也の裁判に出廷して証言した、でその時の証言用に作った草稿というものを、彼はネットに上げているんですけども、そんなかで中沢新一とか島田裕巳さんとか批判してるんですね、オウムヨイショした宗教学者がかつていた、とんでもないやつだみたいなことを書いていた。そういう批判をした上で、自分も宗教学者として未熟でした、申し訳ありませんでした、ということを書いているんですが、自分も実はひかりの輪で上祐さんをヨイショしてるっていう、ものすごい人でね、なんじゃこりゃっていう。
この人の文章が長ったらしくてつまんないんですけど、なんでかっていうと、現場取材をしたりとか裏取りをしたりとかそういうことをしていなくて、資料とか歴史とか上祐さんたちが語ったことをこれは思想的にはああなんですよ、こうなんですよ、と理屈こねまわしてるだけ。結局そんなやりかたじゃその集団がまっとうかまっとうじゃないかわからないと思うけど、そういう判断をしてしまう、ちょっと悪い言い方すると宗教学者の分をわきまえていないと。専門学者としてはいいんですけど、専門を超えたところの価値観をつるっとはずしてしまうという。
藤田さんはよくご存知なんですか?

藤田:いや、全然面識ない。

藤倉:面識ある方いますか?

(出演者全員首を横にふる)

藤田:こないだの証言の感想をいいかな?
傍聴したんだけど。
全体の印象はね、要するに、神智学であるとかオカルティズムの元祖のね、いろいろそういう説を並べて、オウムってのは、なかなかちゃんとした宗教だったんじゃないか、っていう印象を持っちゃったんじゃないかな。
つまり弁護側証人ですから、高橋被告は『そんなひどいとこに入ったんじゃないんだよ』ってことを、弁護人の方は立証したかったんじゃないかもしんないんだけど。
ところがね、幾つか挙げたぼくが指摘しといたほうがいんじゃないかという点で、ひとつは 神智学をおっぱじめたのは、ブラバッキーっていうロシア人の女性でね、今、神智学協会っていうインドのチェンナイに本部があってね、ぼくも行ったことあるんですけど、ブラバッキー夫人っていうのは、オウムの世界観の中で、コーザル界とかアストラル界とかいうでしょ、それはここから影響を受けてるんですけど、このブラバッキーさんが、インチキだったんだよね、霊能者だったんだけど、インチキを暴露されてるんですよ。イギリスの神霊協会とかにね。それがひとつ。
それからね、ふたつめにはね、ニューエイジでカスタネダってのを持ってきて、後で聞いたら、高橋被告が逃げてる時に集めて読んでた本で、高橋被告自身は、チベット仏教の本買って、密教の本読んでみると、『あ、基本的にはオウムと同じだ』とかね、民俗学とかシャーマニズムの本買って読んでみると、『よく似てる』ということで、オウムは間違ってないということで、確信を持っちゃう役割を果たしたんですね。
それで、それがインチキだっていうことが、大田さんの証言の中に、ひとつの例外を除いてはでてこないんですよ。
それで、ブラバッキーはそういうことでした。
それからカスタネダ、これは呪術師とかいう本があって、なかなかよく売れた本なんだけど、これ実は、でっち上げだったってのが、だいぶ明らかになってんですね。
「ドン・ファンの教え」(書籍名)とかね。ドン・ファンってのはヤキ族のインディアン、ネイティブアメリカン。
でそこで、幻覚をおこす植物キノコを食べるってのがあるんですけども、どうもヤキ族のとこでは、それはないってことがわかってきてるんで、要するにイカサマインチキだったんですね。
カスタネダのとこでもインチキだっていう話を全然彼はしなかった。
それからあの阿含宗のところで、阿含宗というのはオウム真理教にルーツを与えたと彼は言ったんですけども、阿含宗で桐山さんっていうまだ生きてらっしゃる教祖が、念力護摩っていう、念を込めると火がつくってやつね、実際、一時期これで信者増やしたりしたんですけど、水をかけると火が出る物質ってのがあるんですね、これを使ってるってのが、側近から暴露されてるんですよ、これもインチキだったんです。
それから、ポア、グルイズムの「虹の階梯」ってのを彼は言うんだけど、そこではグルイズムで、グルが無理してやらせるとかね、人を殺してこいとかいって、実際やったんですって、だからオウムはこの系譜を引いんだ、っていうんだけど、あの、人を殺してこいっていうような言い方は、「虹の階梯」にあったかどうかわかりませんが、これは「ミラレパ伝」にあるんです。
麻原氏は過去世で人を殺してるからね、って信者に喋ってるんですね、信者に対して。新實さんなんかそれを真に受けてるわけだけど。
ところがこの「ミラレパ伝」を読むと・・ぼくが読んだのはオオヤママサノリって人が訳した、英語から訳したやつなんだけど、それ読むと、呪殺なんですよ、呪い殺し。けして、直接手をかけて殺しているわけではない。あの、麻原氏は物理的に殺してるように、どう聞いても喋ってるわけね。
それを真に受けちゃって、田口さん殺すときなんか、まさにそんな、『あ、尊師が言ってたのはこのことだ』っていうので、殺しに行くんですよ。

滝本:89年2月ね。

藤田:そうですそうです。あのとき初めから殺すってこと知ってたのは、村井さんぐらいだね。
あとの早川、新實・・っていうのは、一時間前までそんな気なくて、それが、本当に殺すわけですよ。
ロープで引っ張ってうまくいかねぇっていうんで、新實さんが首の骨へし折るっていうね・・・考えらんないような話なんだけど、だけど元の話は(ミラレパ伝)なわけだね。
あの、そういうような大変なすりかえをしてるんだっていう指摘がなくて、チベット密教の系譜を受けてるっていう、ただし系譜を受けてるっつったって、その後マサキさんっていう証人が出たんだけど、それはチベット密教のほんの外れの方であってね、決して主流じゃないとかね、それからグルに対して、確かにいうこと聞くとかあるけど、それ以前にいかにグルを慎重に選ぶかとかね、いざとなれば、お互いグルと弟子の関係を切るとか、まぁ真咲さんは、チベット学者ですから、彼も行するから。そういう話してたんですが、大田さんはそういうようなことは、全然おっしゃらない。
それから、スピリチュアリズムとはフォックス姉妹の・・あ、フォックス姉妹っていうのは、あの18世紀にスピリチュアリズムって流行るんですよ、イギリス中心に欧米で。
そんで日本にも入ってくるんですけど、好きな人はいくらでも知ってると思うんだけどね、その元祖はフォックス姉妹っていうんだけど、膝の関節鳴らして、霊が通信してるってのがそもそもの話だった。
ところが、これがしばらく経ってから、それで公演して金儲けしてたんだけど、ある時お姉さんのほうが『嘘でした』っていうんだよね。そんで嘘だったのがバレるんだけど、その後生活できなくなっちゃったってのもあり、周りはああやって嘘ついてるとか、悪魔にとらわれるとか、宗教ってのはそういう論理を立てるんだけど、いずれにしてもね・・・あ、話、おもしろくない?(笑)ふふ。

藤倉:いやおもしろいです

藤田:それで、あ、飲み物もらおうかな、ジャックダニエル。ソーダ割り。そんで水。

藤倉:どんどん飲んでください(笑)

藤田:だんだん本性でてきちゃう(笑)
そんでスピリチュアリズムってのは、今挙げた6つのうちの5つはインチキだってこと言わなかった。これをインチキだと言ったら、オウムの構成要素はインチキだってことになるわけですよね、そんでこれは大事な話なんで、つまり、宗教学者ってのが、相手の言ってることをそのまんま、あるいはそれ以上に加工してかっこよく見せることはよくやるんだけど、大田さんその道に入っちゃってる。
で・・・グノーシスの研究やったりしてきてる方なんだから・・・せっかくなんだから・・・まだお若いんだから。これ・・・反省した方がいいと思うんですね。
つまり彼の方法論そのものから出てると思うんでね、今後いい研究やってもらいたいのでね、まぁ、検察官としては、執行猶予でおだやかに、と思っています。

藤倉:ハイ・・・

滝本:オウムの事件みててね、信者3〜400人いたんですけど、一番の問題は、タントラヴァジラヤーナでもヴァジラヤーナでもない。一番の問題は現実感覚がないということだと思います。
「ホー、湖面に映る虚像のような様々な幻影に引きずられ
輸廻の大海を浮沈する生き物たち
彼らすべてが絶村自由・絶対幸福なる
マハー・ニルヴァーナに入るまで
四無量心込めてタントラ・ヴァジラヤーナの発願をいたします。」って
「ホー湖面」なんです、湖の面(つら)。現実社会が虚像と感じているんです。
仏教的には、学者や宗教者は頭では虚像と感じているかもしれないけど、オウムの場合は呼吸法などで神秘体験してますし、94年からLSD、覚せい剤、バッドトリップの人もいたようですが、LSDと覚せい剤を混ぜたのはグッドトリップばっかりだったようでして、結構、それで、やめた後に夢の中にいたようだった、映画を見てるようだったという人が何人もいます。
その現実感覚のなさが神智主義に絡むわけで、宗教学者も、下手したら宗教好きな人は魅力にとりつかれてハマっちゃうかもしれないと思います。
世の中に悪い人がいるってことを知らない良い子ちゃんたちが、その神秘的なことが好きで、現実感覚失わされるとなんでもやっちゃう、そして来世で感謝してもらう、『殺してあげてるんだ』という発想ですから、現役信者がチャットで『滝本さん、ポアされないで残念でしたね』と書いたことがあります。そういう感覚なんですよ。
その現実感覚を、高橋克也は全然取り戻していなかった。
平田信は取り戻していたんです。私、10日間だけ弁護人だったんで。
公にしてるからいうけど、東日本大震災で辛いところを見たと。平田をかくまっていた彼女の実家は東北なんですよ。そのこともあって。
それで、うさぎ、たかがうさぎ、されどうさぎ、うさぎが自分のお腹の上で死んだんです。十何年生きてたうさぎが。その悲しみというかね、もうほんとに、うさぎの写真がいっぱいあったんです。
命のおもさというのを、平田は本当に感じて、それが出頭につながったんですね。それが高橋さんとの違い。
現実を取り戻すことが一番大切なのに、それがわからない宗教学者が承認じゃマズいんじゃないかなと思いました。

藤倉:大田さん自身が現実感覚がないんじゃないかな、と思いますね。思想だけこねくりまわして。どっかで書いてた記事の見出しが「オウム事件の主犯は思想だった」というのがあって、いや思想は人殺さねぇだろと思うんですよね。

青沼:逆をいうとね、中沢新一さんとか島田裕巳さんとか、例えば島田さんはあるところの宗教に入って、本当に特攻っての受けてきたっていう

藤田:ヤマギシ会ね。

青沼:実際そこで体験しちゃったとこが、彼の思想を支配しちゃってるとこがあると思うんですよね。東大の先生が体験してみろってことをかなり勧めたらしいんだけど。
中沢新一って人もなんかやってるってぼくは聞いてますけどね。
そういう意味ではこの大田さんって人は、そういうことも全然ないし、また違った種類の思想というよりも、ただ単に宗教学者というよりは・・・自分探しを一生懸命してるような。

藤倉:あー、自分探しなんですかねぇ。

青沼:そんな感覚にしか見えないんですよね。

藤倉:ぼくから見ると、同い年なんですけど、自分探しっていうよりも、知識ばっか持ってる頭でっかちで、それで全部処理できるかんじで小賢しくて。

滝本:麻原みたいな、強烈なカリスマ、魅力のある人がいれば、嵌めることができるかもしれないですね。

藤倉:上祐さんにはそこまでの魅力はないんで、まだ引き返せると思うんですよ大田さんは(笑)あの、宗教学者としてちゃんとするかどうかはわかんないですけど。

滝本:麻原の説法、延々と私聞いてたわけです、テープもらって。
やっぱり途中でなりますよ、変化身飛んでくるんです。目の中に。
だからこそ中島みゆきのテープをその後にほんとに聴いてたんですから。
はまっちゃまずいぞと。あのしゃべり方はほんとに大したもんだ。

藤倉:こないだぼくも福永法源の復活祭いってきたんですけど、あれもすごい気持ちよくなっちゃって。

藤倉&藤田:サイコーでーす!サイコーでーす!

藤倉:って言ってそうそう。
やっぱり上祐さんにはそういうの感じないんですよね。

藤田:やっぱりねぇ、人間が悪いからねぇ・・・

(会場笑)

滝本:人格攻撃はいけないよ(笑)

藤田:あそうか(笑)

青沼:べつにいいんじゃないすか

藤田:こういうのは人格攻撃になるんですね・・・

藤倉:やっぱり弁護士さんはわかってる

(会場笑)

藤倉:大田さんの場合は、宗教学者としての、アプローチが問題ってのもあるんですけど、それより問題なのは、外部監査委員会とかで意見書を書いて、観察処分を外す方向で協力するとかですね、そういう研究じゃなくて、具体的な動きに関与しているとかね、

滝本:そうだそうだ

藤倉:そういう意味では、島田裕巳さんとか、中沢新一さんとかって褒めたとか、評価したとかそういうレベルの問題なんだけど、これはオウムにダライ・ラマが宗教法人認めるために、推薦書書いたとか言われてますけど、それに近いような立ち回りだとぼくは思うんですよね。

滝本:そっか、そんなことしてんの。

藤田:あの学者としてね、ちゃんと現実に関わるべきだと言いながら。

青沼:観察処分ってのは破壊活動をやった団体にされるのであって、その裏づけの思想がどうのこうのってのは直接関係ないでしょ

藤倉:関係ないですね

青沼:そういうことだよね

藤倉:べつに思想なくたって、破壊活動やってる奴らは監視されるんで。

青沼:また破壊活動をやるかやらないかで、単純にその部分で継続されるかどうか判断されるわけで、そこに宗教学がどう関わってくるのかがそもそもの問題なんですよね。

藤倉:もともと公安調査庁の方が、麻原をいまだに信じてるか信じてないかを指標にしてるところがあって、ぼくはそれじゃいかんと思うんですけども、どっか教義としての連続性があるかないかで決めちゃおうとするのが、どっち方向からもあると思うんですね。

青沼:だとしたら、彼がそれについて何か言える立場じゃないと思うんですね。

滝本:まぁ特別法は良かれ悪しかれ、問題はありますよ。
外形的に見るわけね。
ひかりの輪は上祐という大幹部が当時の出家者らを幹部として使ってる。
要するに、ヒトラーナチ政権の人が、ゲッペルスという『私たちはナチスではないノチスだ』と。『すべてのヒトラーの悪いところは抜いた』と言ってるようなものなんで。
それだけで、言ってることに関わらずそういう団体自体がおかしいんだと。
それを言いたいんですね。あの、脱会者で作るカナリヤの会は、私が窓口になっているので、破壊活動防止法がカナリヤの会にもかかっちゃうことを心配したのですがね。やっぱり団体ってものの捉え方というのはね、組織はヒト、モノ、カネです。
ひかりの輪は話し合って別れたんです。予算も場所も。そんなの分派じゃない。分流なんです。そこが重要なんです。彼は嘘をつくのがワークですから。
5年でも10年でも、自分の好きだった女性が麻原さんと男女間系になっても、何も文句は言わなかった。すごいことですよ。

藤倉:結局観察処分はまた3年間更新されて、外部監査委員会はあまり意味をなさなかったんですけど、ぼく、昨日気付いたんですけど外部監査委員のサイトが、閉鎖されてるみたいでですね、報告書も大田さんの意見書も全部消されちゃってるんですよ。
昨日からぼく、ひかりの輪の広報の人の携帯に電話して、なんで消しちゃったのって聞こうと思ったんですけど、留守電いれても、折り返しもこないし、今日も電話したけどでてくれないし、嫌われちゃったのかな。結局なぜなのかわからない。
ですが、もう監査委員会自体がなかったかのように、データが消えてしまいました。
ただウェブアーカイブに残ってるのは見つけたんで、興味ある方は探してみていただければいいかなと思います。
ただこの監査委員会自体が、観察処分を外すための手段でしかなかったんだなと、大田さん利用されちゃったなと思ったんです。
ではこの後、森達也さんとか・・・

藤田:なんか証人呼んでるって言ってなかった?

藤倉:あ、はい、あ、いいです?(客席をみて)いいですか・・・出廷拒否だそうです。

青沼:召喚状だしてなかったの?

藤倉:だしてなかったです。
ちょっとシャイな証人だった・・・
やっぱりだいぶグダグダで、ネットに草稿出してる通りにはうまく喋れなかったみたいで・・・帰ったら、ぼくのツイッターでリツイートしてあるのをみていただければと思います。ちょっと山折さんの発言について、大田さんがだいぶ歪めて証言していたという話で、意図的であるならば、偽証なんじゃねぇの?という指摘がなされているという。その辺もちょっとおもしろいかなと思います。
ほんとはぼく、今日、大田さんが一番来てほしかったんですけどね。
では、一旦休憩を挟んでから・・・

藤田:べつにいいよ、トイレんとき行かしてくれりゃあ

藤倉:え、いいですか、わかりました、じゃああの、いっちゃいましょう。
森(達也)さんです。
森さんは映画の「A」という映画でね、オウム視点で映画を撮っているという、だいぶオウムの宣伝に加担してんじゃないかっていうような批判も。
著書の「A3」では、オウムの一連の事件は弟子の暴走ではないかという解釈をしたということで、また批判をあびていまして、この「A3」が講談社ノンフィクション賞を受賞するということになったときに、抗議の記者会見を行ったのがこの三人(藤田さん、滝本さん、青沼さん)というですね。
今日、当初来れないって話だったのが、来ていただけたので、ぜひここ詳しく・・・であの、森さんは、ぼくはちゃんと反論をしてるのを見なかったんですけども。ちょっと不愉快だったという程度の話が出てきただけで、森さん的にはちゃんと反論してなかったんじゃないかなと。

(スクリーンに森氏の写真とプロフィールが映される)

青沼:あー・・・でたー・・・

(うつむいている滝本さん)

藤倉:あの、いろんな写真がネットにあったんですけど、なんか井上ひさしみたいな顔してるなーと思ってこれを選んでみました。

(会場笑)

滝本:まず単純な経過を話した方がいいですかね。
映画「A」ってのは、98年5月2日に公開されました。
「A2」というのが二つ目の映画です。
「A3」は本ですね。
私は「A」を、公開前の2月2日に、家族の会の永岡さんと見にいってるんです。
あらかじめ、見て欲しい、意見くれというんでね、それで、5月22日付(?)で公開しないでくれ、と抗議を出してるんです。
実費一千万くらいかかったらしいんだけど。被害の状況が全く出てないのもあるし、信者の親らはね、子供らの気持ちを知る為見て欲しいとは思うけど、一般に公開したらオウムの勧誘になると。
内容からして、要するに(信者たちが)普通の人だということがでてるだけなんです。本当に普通の人です。
これは私も強調していってたけど。勧誘になると。オウムに裏がある。
どうして協力を得られたか考えたことあるのかと、いうことを言って、公開しないでくれと。それで驚いたことがあったけど、「映画A推進委員会」ってのがあって。
これはあとでやめた信者から確認したけど、オウムがヨイショして推進してた映画なんです。オウムの宣伝部隊として、だったということが後でハッキリしたことです。ところが、映画「A」は結構使われて、みなさん信用してしまってしまってると。
そして「A2」ができて、藤岡市の街の人が、一番ハマったりとかありましてね。要するにうまくオウムとタイアップして、彼が文化人となってしまっているのが、不可思議で仕方がないと。端的に言うとそういうことです。

藤倉:今でたタイアップという言葉が適切なんでしょうね。取材に協力して、興行に教団の方が協力するという。

青沼:「A」のできるほんとの過程を知ってるんだけど、一旦ネット切っていいですか。

藤倉:会場のみなさまだけにね・・・ではすいません、ネットの音声を切っていただけますでしょうか・・・

(音声なしでわからず)

滝本:映画「A」についてはですね、この三人名義の意見書と、それから日本脱カルト協会からの意見書があります。

藤倉:「A」ですか?「A3」ではなく?

滝本:あぁ「A3」についての意見書なんです。
その中では、映画「A」についても、そもそもの発端なので書いてるんですね。
そこでハッキリ書いてるのは、佐川一政さんという、フランスでね、人殺しをして、人肉事件の人なんですが、のちに文化人的になってるんですけど、佐川一政さんが月間サイゾーの 2002年11月号の81ページに書いてるんですが、「凶悪犯罪に群がる進歩的文化人の本音とは」というタイトルで森さんについて書いてるんです。
「Aくんが撮影のしょっぱなにオウムの信仰についてとうとうと述べ、その信仰のためには人を殺めても構わないという発言までしたんです。これでは最初っから観客が引いてしまう。自分はあくまでA氏青年を、普通の若者として撮りたかったと。そこでこのAくんの一連の弁明をすべてカットしてしまいました。案の定上映のおり、信者もボクらと同じ青年だったんですね、と観客に言われてとても嬉しかった、と森さんから聞いた」と佐川さんは書いてるんです。
ほんとに荒木くんがね、当然ポアの思想ですよ、尊師に仇なす人は殺されて当然だと、尊師に殺されてよかったという発想。
それがオウムの教義ですから。
それを荒木くんが言ったといって全然不思議ではない。ドキュメンタリーは本質とズレますよ。でも最大の本質を抜いちゃった。ドキュメンタリーは嘘をつく、って彼の言葉ですが。それは嘘をついたと自白してると。

青沼:アンタが嘘をついてると。

藤田:「俺は嘘をつく」ってこと。

滝本:ドキュメンタリーは本当のことを描きたいけど嘘をついてしまうものなんだ、という言い方ならわかるけどけど、彼のやってることは「嘘をついていいんだ」という、そういうことを彼は認めてるんじゃないかと、それはあまりにひどいと思うんですよね。

藤倉:まぁ開き直りですよねぇ。さっきの大田さんと業種は違うんですけど、それぞれの職業の中でカッコよく作りたいっていう意図を感じるんですね。

藤田:自分を大きく見せたいっていうね。

滝本:ちょっと違う観点から見るというのは非常にいいことだと思いますよ、あえて人と違うことしてるとしか思えないことで、それをのちのちの「創」の中でもね、討論するとかしないとかいう話があったんだけども、その中で驚いたのがね、既得権益?

青沼:ああそうそう

滝本:滝本と、青沼さんが・・・

青沼:そうそう、(私たちが、森さんに)オウムの既得権益を侵されたから文句を言ってきてるんだ、と書いてた。

藤倉:商売敵だろ、みたいな?

滝本:えぇ!?って思って。私はオウム事件なんかやらないほうがはるかに儲かるんだけど・・・

藤倉:上杉隆対記者クラブみたいな、オウム問題に関わる有名人対森達也みたいな・・・

滝本:既得権益という言葉が出たときは驚きました。

青沼:A3でね、講談社に抗議したって、弁護士やジャーナリストってこの三人(藤田さん、滝本さん、青沼さん自身を指して)ですよ。業界ではうちらのこと「カルトスリー」って呼ばれてんですよ。

藤倉:(吹き出す)

(会場笑)

藤田:なにそれ・・・ハハハ

青沼:ぼくそれやったから、しばらく干されたんだよ。
結局ぼくの既得権益でもなんでもないわけですよ。
損しちゃってるんだから・・・干されて・・・
だけどこれをやらなければならない、ってことは、嘘が後世に残る。さっきのダライ・ラマじゃないけど、表彰されてしまうことで、これは優れた本なんだってことで、権威付けをしてしまう。これは絶対阻止しなきゃいけないと思ったから、こういうアクションを起こしたわけで、それをね、オウムの既得権益をお前らは侵されるから、俺をいじめてるんだろう?って。いじめになってるんですよね、そこがね、麻原と同じに感じるんですよ。

藤倉:カルトからの抗議ってよくありません?
ぼく統一教会からも言われたことありますけど、金儲けのために書いてるライターが適当に書いてるんだ、みたいなこと言われて。
なんでしょう、論点自体に答えずに、相手の動機をでっち上げて貶めるという。

青沼:ほんとにそう思ってると思います!

滝本:94年11月4日、赤ちゃんだけが出家してるってヘンな状態に、当時のA弁護士、ハマってた弁護士とよく交渉を激しくやって、彼は、私がカウンセリングしてたもんで、『金儲けのためにやってるんでしょ』って言われて、えぇ!?って思って。カウンセリングなんてやってたら、ほかの仕事できなくて損するの、(同業者なのに)わかんないのかな?って。
そして、『薬使ってるんですか?』って言われてまた、えぇ!?って思って、(会場笑)アンタの方が薬使ってるのに。
つまり森氏は、既得権益だと逆に思ってるってわけですよ。
俺の縄張りだと。

青沼:あれが一番ビックリしましたね。
そんで二言目には「俺が迫害されてる」って言い方するんですよ。嫌われて、いじめられてる、ぼくが弱者なんだって言い方を必ずするんですよね。

藤倉:ぼくがどっかでチラっと見たのは、弟子の暴走論なんて言ってないよ、っていうことどっかで書いてましたよね?

青沼:それも、ぼくブログで反論したけど、まぁこの抗議がきっかけで、ぼくブログ立ち上げて、彼のことかなり書いてるんだけど、それ(弟子の暴走論について)も、その後に続く文章を削っちゃうわけですよ。
そういうズルい手を使う。例えば、ブログにも書いたけど、「私は魚は好きです、でも焼いた魚が嫌いです」って続くのを、「私は魚は好きです」ってのをとっちゃえば、刺身出しても、なんで?うそだろ?ってなっちゃう。

(※わかりにくいので、青沼さんのブログから以下引用しました。http://aonumazezehihi.blog.fc2.com/blog-entry-4.html
「生の魚は食べられません。でも焼いた魚は好きです」
 そういう人もいるでしょう。
 鮨は世界に知られるところとなりましたが、それでも生魚を拒む人は世界的に見ても多いはずです。
 では、この言葉を省略してしまったらどうでしょう。
 例えば、テープに録音したこの言葉の下線部分をカットして繋いでしまいます。

「生の魚は食べられません。でも焼いた魚は好きです」

「生の魚は(空白)好きです」

「生の魚は、好きです」

 発言者の真意が誤って伝わるどころか、まったく違った意思表示になってしまいますね。
(引用終)

青沼:そういうことをやる。

藤倉:うんうん

青沼:で、重要なポイントは必ず書かない。除く。
ぼくについてなんか、最初から「ホントですか?」って言いたくなるって書かれてるんだけど、麻原がね、一度だけ意見陳述やったことあるんですよ、ご存知だと思いますけどね、17事件すべてについて。で、それについて(森さんが)コメントしたものがあるんですよ。ところが、そのあと弁護人聞かれてされて、意見陳述のあとに、『今エンタープライズの中にいる』と言いだしちゃったっていう、有名な話があるんですよ。そこで『裁判なんかないよ(麻原の声真似で)』って。

(会場笑)

藤倉:フフフ、麻原の声ですね。今の。

藤田&藤倉:もっかいやって!もっかい!

青沼:『あれは遊び、遊びで終わってんだよ』(麻原の声で)

(会場・出演者笑、拍手)

青沼:こういうノリでいったんですよ。
そのエンタープライズのことを、森達也はまず書いて、17事件についてコメントしたことをくっつけるわけ。
本当に青沼はこんなこと言うのか?みたいなかんじで。
だって評価の対象が違うんだから、全然ちがうのに、そうやってわざと貶めてくんです。

藤倉:結構疲れますね。

青沼:こんなおかしなこと書いてる人いない。
嘘で攻撃してるし。はっきり言ってとんでもないやつですよ。

藤倉:あの、さっきの大田さんってわかりやすいですけども、
森さんはそうやって話がぐちゃぐちゃになっちゃうから、
あの詳しい人が見てるとわかるかもしれないけど、ハタから見てるとどっちが正しいかわかんなくなっちゃうことあると思うんですよね。

滝本:つまりA3というのは本筋自体矛盾してるんです。
「弟子が暴走した」と言ってるのは弁護人ですね、弁護人だったら無罪主張しますよ、それが仕事ですからね。
「弁護側は起訴されたすべての事件に弟子の暴走が働いているとして、被告の全面無罪を主張した」と「A3」の94ページに書いてるんです。森さん自身が。
その弟子の暴走をしたということを一方では言ってるんです。
つまり弁護人と意見が一緒だと、弁護人と一緒なら無罪主張じゃないですか。
ところが、麻原はサリンをまくことは指示したんだと、あとで認めてるんです。それは弟子の暴走じゃないじゃないですかと、話が矛盾したことを、なんで平気でいられるのか。

藤倉:これは注意深く読めばわかるよと。

青沼:簡単に言いますと、麻原は意見陳述の中で、『ぼくはストップをかけたけどあいつら(弟子たち)がやっちゃった』って、それが暴走論の原点なんですよ。
ところが、本の中では麻原は指示をした、っていうわけですよ。
そうすると弟子が勝手にやったのか、麻原が指示したのか、まずここで矛盾が生じるでしょ?彼は一審弁護団の、弟子の暴走論指示するって言ってるから、麻原指示してないってことになるはずなのに。そこで論理的に破綻してるわけですよ。
それを、なんか「創」か何かでぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃやってきて、ぼくは言ってないとか、またいうんですね。

藤倉:今わかったんですけど、わざと矛盾することをこっちに書いといて、お前こう書いてるじゃないか、と批判されたら、いや、こう書いてるんだよ、って言うっていうためのしかけなんじゃ?

(会場から笑い声)

滝本:いやー・・・あれは「創」か何かのシリーズをまとめたような本でしたっけ

藤倉:「プレイボーイ」?

滝本:ああ「プレイボーイ」でしたっけ。途中でわかんなくなっちゃったんじゃないかと私は思うんですけどね。

(会場から笑い声)

藤倉:あ、本人も(笑)

滝本:そう。だって弁護人に同意するんだったら無罪主張なんだから、サリンまくってこと指示したことを言えないんですよ。
その自己矛盾してることを知らないのは・・・知ってて矛盾してることを言ってるのは上祐だけど、わからないで矛盾したことを言ってるのが森さんなのかなと。これは私の感想です。

藤倉:森さんの批判をするなら、森さんの本をよく読んで、穴に気づけばいいってことなのかな

青沼:「A3」を読めば、おかしいなってこといっぱい出てくるけど、例えばこの前に出したね、下山事件についてついた本があるんですよ。「下山ケース」だったかな。

出演者一同:あー

青沼:あれも、最初から嘘書いてるわけ。ありえもしないこと書いてるわけ。遺族が抗議してるし。週刊文春の書評でも「ハレンチ」って書かれてるのかな。実際記録として残ってますから。
そういうことをね、やるやつなんだよ。またここでもやってる。
そういうことをまたやりますよ。よっぽど猛省しない限り。

藤倉:どっかのインタビューで、オウムもう金になんないからやんないみたいなこと言ってませんでしたっけ、この人。

カルトスリー:・・・・・・いや、わからない・・・

藤倉:もう既得権益じゃなくなってるかもしれない。
20年で森さんって、そんなに頻繁にメディアに出てきた印象はないんですけど・・・

滝本:いやまだ、結構新聞媒体で出てるんでね。森さん、ああいう人はいるんですよ、麻原みたいのもいるんです。上祐みたいのもいるんです。
でもそれが、相手にされてるのが、不思議で仕方がない。

青沼:ある意味ね、メディアじゃ便利なんですよ、つまり、反対のことを言ってくれる人がいれば盛り上がるから。
紙面でもそういう人がいると、便利なの。
で言ってくれるだけ言ってくれて、我々は知りません、ってなるんだけど。

藤田:でもあの、森達也くそったれうそつき、って声が新聞に載ることはないですよね。

滝本:「A3」はね、地下鉄サリンのことは書いてあるけど、他の事件のことはほとんど書いてない。から麻原の97年の17件の罪状認否について何も書いてないんです。
麻原が認めてるか認めてないかは、極めて大切なのに、それを全く言わない。
これは、ひどいと思うんですね。
麻原弁護団も、麻原が一番ヘソ曲げたのは、自分の弁解を、弁護団が聞いてくれないからですから。麻原弁護団も麻原を無視して進めてたことがあったのですが、森さんも同じことをやってる。自己都合ですよね、すべて。思うんです。

藤田:あの方は、パクリはやる?

青沼:やります。ぼくのパクられてます。

滝本:藤田さんのもパクられてる。巫病。

藤田:そっかそっか。

滝本:まぁ説明してください。

藤田:あのね、中川さんていう死刑囚いるでしょう。
であの人や要するに、なんであんなことやっちゃったかってところで、要するにオウムに入らなきゃ生きていけないようなことになってしまったんだけど・・・要するに、勝手に神がかりされて、ものすごく苦しくなるようなことがあるんですよ。
祈祷師になるときとかにね、これ文化人類学じゃ、巫病っていうんだけど。
アメリカの精神分析でいうと、デーム・スリーの本で、「解離症」とも言います。
第一審の時に、弁護団は、ともかく神秘体験が原因だから、とかなり強く打ち出して、被告人質問もやってたんですね。
ぼくは毎回聞いてて、あこりゃ巫病だと確信したの。
そんで、沖縄のユタとかね、ああいう状態になる前に、心身の異常状態が起こるんですね。それそっくりだなと。
第二審の時は、佐々木ユウジさんという世界的なシャーマニズムやってて精神医学者の方が証人になって、鑑定意見書出して、これは巫病です、要するに解離症です。
それも、病院に入院させなければいけないくらい、ひどいものだというのが、鑑定意見書だったんですよ。
検察側の鑑定意見書も出てきたんですが、責任能力があるというようなことを言って、もひとつ傑作だったのが、法廷の医学では、佐々木さんという精神医学者は祈祷性精神病であるとかね、いろんな要素を勘案して彼を分析したんだけど、そしたら検察側の精神医学者は、そういうことはあんまり関係なくて、アメリカのナントカだけを使えばいいんだと、論理でもなんでもないんですよね。
つまりなにがほんとかってことは、まるっきり放り投げているというわけで。
それでもひとつ傑作だったのが、精神医学者としては、佐々木先生としては、それが重要なんである、なおかつ、異常であったってことは認めてるんですね、検察側の精神医学者も。2004年の「世界」っていう雑誌に、これは巫病だってこと書いて、2007年の本にも出したんですけども、あの、森さんの「A3」読んだら、一番最後のつけたしみたいに、中川氏のとこに面会に行ってるんですね、で『巫病でしょ』と言ったら、中川氏が『なんでそんな難しい言葉を知ってるのかというような顔をした』と書いていて、ああこの人はそのパクリだけじゃなくて、自分を大きく見せる技術っていうのをよく使うんだなと。
確かに他の本読んでもそうなんだよね。それは書く内容にも出るなぁって思います。

滝本:参考文献に藤田さんの本が書いてあればいいよね。

藤田:それは何にもない(笑)

滝本:だったらパクリだよね〜
あのね、「巫病」ってのを最初に言いだしたのは、藤田さん。
「最終芸達者」というのを言い出したのは青沼さん。(笑)

青沼:それはパクられてない(笑)

藤倉:青沼さんがパクられたのは?

青沼:パクられたのは、弟子たちが語るいろいろなエピソードが、ぼくの「傍笑記」の中に出てくるんだけど、90年の総選挙が終わって、惨敗しますよね、アニメにもしたんだけど、惨敗した後に、麻原が相談するんですよ。上祐とか石井久子とか、幹部まじえて。麻原風にいうと『どうしよっか』(麻原の声で)って。

(一同笑)

青沼:そうするといつのまにか麻原は弟子たちと話し合って、フリーメイソンが、自動的に投票用紙の名前を書き換える機会があって、実は『私は当選しているんだ』(麻原の声で)って言い出すんですよ。

(一同笑)

青沼:でもそれは、内部的にはね、それが通じればいい世界だから。そのことを書いたのを、文章も全部まるごとパクってる。

藤倉:文章も?!

青沼:ぼく、ブログに書いてますから、見比べてもらえれば。ぼくの本の何ページと、A3の何ページとって。しかもね、引用文献ない。
ネットで拾ったとかいってるんですよ。二言目にはネット。

藤倉:ネット上で拾ったっても、パクりはパクりですからね(笑)

滝本:その弟子の暴走についてもですね、引用も根拠が書いてない。
そもそも、森さんは判決の日に傍聴に行っただけですからね。
こっち(カルトスリー)は、何十回も裁判通ってますよ。
それであんだけのことを書くのが驚き。
裁判の記録も読んでないとしか思えない。判決文も読んでないと。

藤倉:結構やっつけ仕事なんですね。

青沼:やっつけ仕事どころじゃないよ、もっとひどくって、この話になるともっと長くなるんだけど・・・

藤田:いいよ、言っちまえよ

青沼:ブログに書いてるけど、講談社ノンフィクション賞受賞の言葉も書いてるんですよ。
地下鉄サリン事件で例えば林郁夫が『サリンをまけ』と言われた時に、村井が指示するんですよね、村井が上を向いて『これは・・・(上を向いて)だからね』っていった。
でそれで、林郁夫は、尊師からの指示だと思ったわけ。そしたら森達也は『これはおかしい』と。だいたい上に麻原が住んでるかどうかもわからないのにどうして上見ただけでそんなことが麻原だってわかるんだ、っていうんですよね。

藤田&滝本:ふふふ・・・

青沼:『そんなことも裁判でやられなかった、こんな手抜きな裁判だった』っていうんですよね。
そんなこと麻原弁護団が重箱の隅つつくくらい聞きまくって、『上に麻原尊師がいないのにどうしてそんなことが言えるんだ』とか言って。
いや、目上の人だから、こうやったわけでしょ、って郁夫はちゃんと言ってるわけ。
それ三回くらい答えた。阿部さんっていう有名な裁判長に。
『それもう聞いたから』とか言われながらやってる。
(森氏は)ぜんっぜん取材もしてなければ裁判記録も読んでない!
しかも「A3」の書き出しで、判決だけ聞きに行ったっていうんですね、じゃあなぜ地下鉄サリン事件起こしたか、っていうと、彼は「王様になるため」だっていう。王様になるために地下鉄にサリンをまくのか、ぼくにはぜんっぜんわからない、おかしな判決だって、「はじめに」ってとこで書いてる。
でも判決文にはちゃんと「王様になるために、サリンを一生懸命作った、自動小銃も作った、これで武装発起して日本を征服する、その目論見が、強制捜査が来ることにによってダメになっちゃう。じゃあ騒ぎを起こして捜査の矛先を変えよう」ってことで、地下鉄サリン事件は「騒ぎを起こす」ってことから始まった事件なんですよ。
それが、彼そこ(「王様になる」の部分)だけ抜き出して・・・『ぼくにはちっともわからない』とか書いてる。

藤倉:フフフ・・・それはバカなだけじゃないっすか(笑)

青沼:ほんっとそういう風なんだよ!

滝本:好き勝手書いて読みやすい文章なのかもしれない。

藤倉:ほうほう

滝本:例えば、麻原の水俣病説あるでしょ、それを、藤原新也が書いたりしてて、私もブログで文句を言ったりしました。
森さんは「A3」でさらに引用してるんですね。
これひどい話でね、水俣病の人がほんっとに迷惑なんですよ。そもそも、麻原の貧困やなんかも弟さんに言われました。
ほかの兄弟はいろいろあるけども、ちゃんとまじめにやってんだから、家庭環境のせいにしないでくれ、と。麻原さんの兄弟から私いわれてるんですよ。
水俣病は完全に否定されてんですよ。
先天性緑内障ですから。麻原さんの目は。水俣病の場合は網膜剥離とか、なんとかなんとか(という症状があると)ブログに出してます。全く別なんです。
そういうわけなのに、水俣病説をまたあるかごとく言って、いい迷惑なんですよ。
水俣病の人は。怒ってますよ。
それを弁解じみて、森さんはまた水俣に行ったりしてますけどね。
そこまで細かく「A3」を読んでる人なんていませんからね。
ひどいもんだと、あそこはひどいと思います。

青沼:ひどいし、講義しても、反論できないでしょ、しないでしょ。そういうところがね・・・

藤倉:治らない。

滝本:森さんは、麻原の訴訟能力についての討論だったらすると。あなたの「A3」についてやらないと意味がないでしょうというのに。
訴訟能力についてばっかり言いたがる。こちらの言ってることに答えられると、彼は何度もいいながら、全然書いてない。

藤倉:討論はするけど、条件を出してきて・・・?

青沼:それ以前の問題で、抗議書送ったのが金曜日なんですよ。
そしたらブログかツイッターでね、討論したいって申し込んだって言ってるんですよ。
それが土曜日だったかのブログに書いてあるんですよ。
月曜日になって「創」っていう雑誌を通して滝本さんのところに連絡がきて、滝本さんからぼくに、相談がきた時に、いや滝本さんちょっと待ってくださいと。
日曜日のブログの段階で、『こいつら無視したから、ぼくの方から断ってやった』みたいなこと書いてあるんですよ!

藤倉:フフフ・・・

滝本:まだ届いてない(笑)

藤倉:すごいっすね

青沼:ものすごいよ

滝本:「A3」の本の88ページと38ページに、「麻原彰晃は圧倒的な質量だ」と、重さのことね、幻惑されたんじゃないかなと、これで私はね、心配したんですけどね、森さんを。
それで講談社からノンフィクション賞もらったけど、それ選ぶ人の一人は中沢新一です。すごい話です・・・

青沼:抗議書送ったけど、講談社は講談社で、「ちゃんとした選考員が選んだから、私たちには責任ありません」みたいな。
それって麻原と同じなんだよね。

藤倉:選考員の暴走論ってことですね・・・

滝本:講談社は、NHKもからむけど「奇跡の詩人」って本出して、タイアップした、売れればいいと思ってるんでしょうね。
そりゃある程度売れればいいというのは、商業社会である以上仕方がないと思いますが。限度はあるだろうと思うんですが。

青沼:三女の本も講談社ですね。

滝本:あ、三女の本も講談社。三女はアレフの主張そのままですからね。あれは脱会者とかなんとか言えません。

藤倉:森さんといえば、アーチャリーの大学入学問題の・・・
あの和光大学に合格したのにね、アーチャリーが入学拒否された時に、森さんが、非常勤講師?

滝本:ブログにも書いたからいいますけどね、
和光大学にはいる云々の時、前の年に、アーチャリーはとある大学で入学拒否されてしまったんですよ。
翌年の元旦、(三女への)年賀状に「わたしは和光で働いてるから、なんとか助けてあげよう」といった。
それが彼女が和光を受ける動機のひとつとなったんです。
それで和光大学が合格はしたけど入学許可はされなかったんです。
当時麻原判決がでる直前だったんですよね、そういうこと心配して、わたしの方にも連絡きたんです。
わたし和光大学に「前の年に上祐が修行にいれられるとかして、三女は、実際はオウムの幹部でした。で、ヒト、モノ、カネでいくと、彼女はこうやって食ってます。住まいはここで、そこはいろいろな関係で明らかにオウムです」と言いました。
「でも!彼女は被害者の一人なんです!から、和光大学にあってこそ、受け入れてください」と、学長にお願いしたんですよ。
でも結局大学は、経営の関係でしょう、拒否してしまった。それで、和光大学相手に三女は訴訟を起こしたんです。
そんなかでわかってきたんですけど、要は、三女は森さんのことを大学教授だと思ってたんです。大学教授と非常勤講師全く違いますからね。
だから、森達也氏は三女のために、結局何も動けずに、2月には、朝日新聞の中で、差別してはいけないようなことをいいながら、前の年に拒否されていることを朝日新聞はオープンにしちゃった。
朝日新聞が前の年に拒否されてることをオープンにしたから、和光大学は調べ始めたんですよ。だから、その四日後には森さんが別の文章を、朝日でオウムのこと書いてましてね、なんていうか、マッチポンプというか、三女はかわいそうだなぁと。
大学教授ではなかったから。だから影響力もないし。わたしはなんとかお願いしたけど、認めてくれなかった。それはかわいそうだった。

藤倉:森さんは何もしなかった?

滝本:知る限り何もしなかった。いち講師が何できるもんでもないですよ。

藤倉:嬉しかったんですかね?大学の講師になって。『おれ講師になったから来なよ』みたいな(笑)

滝本:三女にぬか喜びさせてしまったと思うんです。

青沼:ちなみに大学入るために、予備校通ってたんですよね、三女。
で予備校通ってるのを、写真撮って、「フライデー」っていう講談社から出てる雑誌に署名原稿書いたんですよ。もちろん顔ボカシいれてますよ。未成年だから。それでぼく訴えられてるんです。アーチャリーから。それでその講談社から、三女の本出てるんですよ。

藤倉:顔出し実名で(笑)
結局、講談社に集約されていってる気が(笑)
すいません、今日の被告に講談社いれてませんでしたが。

滝本:いい本もたくさん出してますよ。

藤倉:すべてが講談社の陰謀なんじゃないかっていう・・・

滝本:いや、新潮社だって、文藝春秋だって、問題ある時は、それぞれある。ロフトもある。

藤倉:ロフト(笑)

青沼:あまり言わせないで・・・(笑)

藤倉:じゃちょっとそのまま、時間もアレなんで、メディアの話なんですけども、今年は地下鉄サリンから20年ということで、いろんなメディアが特番してるんですけど、ぼくが一番気になったのは、テレビ朝日の番組だったんですけど。
2月の終わりくらいでしたけね。オウムの核武装化計画があった!!みたいな予告編をバンバンバンバン打って、ですね、まぁご大層にやったんですけど、番組に出て証言してた野田成人さんなんかから、その核武装の話は、個人的によく聞いてたんですけども。

青沼:パンテアンでしょ?オーストラリアの。

滝本:2月21日の放送ね。
「A3」をもってって、逮捕されたりしたんですね、それで罰金を払わされたりして、オーストラリアの放送局はそれがすごい感心あって、こちらにも取材きましたけど。こちらとしては「まだそんなんやってんの?」って感じで。

藤倉:まぁ計画自体はものすごいショボイ話だったって、野田さんいつもいってるんですけど、テレビ朝日では、「ものすごい恐ろしい計画が進行していた!」って。

青沼:裁判でもこれ、語られてるんですけど、オウム真理教が、オーストラリアの牧場を買うんですよ、何を探そうとしてたかというと、ウラン。
ウランを探して、原爆作ろうとしてた、って話なんですけど。その話は裁判でもさんざん出てるし、現場も2000年だったかな、に行ってみてきたんだけど。
それを、今改めて、核武装計画があったみたいなことで、作った番組ってことですよね。

藤倉:そうですね。そこで上祐さんなんかも証言者として出てきたわけですが。
正直ぼく、核武装計画を大げさにやるっていうのは、もうテレビのご愛嬌みたいな感じであんまり重視してないんですけども、問題あったのは、上祐の扱い方、さっきさんざん話出てたような人間なのに、上祐がまさに客観的に物を語ってる人間であるかのように、上祐の証言にのっかった番組作りをした上に、あろうことか、ひかりの輪の団体を説明するときに、テレ朝は「宗教哲学を学ぶ教室」とかゆってですね、宗教なんて言わない。
オウムの後継団体とも分派とも言わない。
公安調査庁が、アレフを危険視してるっていうレポートを出してますよ、っていうのに、同じレポートでひかりの輪も同じ扱いされてるってこといわないで、ただ観察処分の対象になってるってことだけさらっと言うだけっていう。
ものすごく消極的にですけど、上祐をヨイショするような・・・あ、呼び捨てにしちゃった、そんな感じの、扱い方で上祐さんの証言に沿った番組作りをしていたことが問題あってですね・・・

藤田:テレビはテレ朝だけじゃなくて、他も・・・

藤倉:上祐さんでてくるとそんなかんじですね。

藤田:2012年のNHKの未解決事件。あれも上祐氏出てるよね。
それで、情報を与えられれば、言っちゃうのがよくわかるんだよね。

藤倉:それはテレビに限らず、3月20日あたりにやってた、スポーツ紙のインタビューの上祐とかですね、東スポかどっかやってたときも、そういうかんじなんですよ。
肩書きの説明で、上祐の都合のいいようにしてしまうという協力関係ですね。全部に共通してる。

藤田:メディアをどう扱うかっていうのはね、その、89年からね、経験を積み重ねてるから、こりゃすごいもんですよね。

藤倉:オウムの時から最前線でそれをやってきた人間が上祐さんなわけですよ。

滝本:上祐はそうやって、ウマいですよね。
95年の頃も、わたしの空中浮揚したこともあったもんですから、わたしが一時間出ずっぱりの番組とかあったんです。
その時上祐はテレビ朝日だったんだよね。彼が逮捕される前です。視聴率がこっちは負けちゃいました。
上祐に負けちゃったって、悔しがってましたよ、テレビ局は。上
祐を出すと視聴率上がるっていうね、怖いけど、怖いもの見たさみたいな、節操がない。
そのあと偽証罪で捕まって出てきて、今現在観察処分かかってる団体のトップでしょ、サリン70t作ろうとした人の一人でしょ、それをずっと使ってくって不思議で仕方ない。NHKもですが。節操がなさすぎると思うんですね。なんなんだろう、テレビって。
最初はロフトじゃなくて、朝日新聞のインタビューだったと思うんですね。

藤倉:ロフト以前で、雑誌とか、ぼくもアングラ誌でインタビューしたことありますし、出てはいましたよね。

青沼:だから、メディアの肩持つつもりはないけど、やっぱり当事者の証言を聞くということは、メディアとして意味はあると思います。そこに、じゃあこういう人はどういう人物なんだっていうエクスキューズをちゃんとつけないと。

藤倉:まさにさっきの森さんがフジテレビに企画持ち込んだときの話そのもの・・・

(藤倉さんのマイクをうばおうとする青沼さん)

藤田:ハハハハハ・・・

滝本:まぁまぁ・・・・あんまりいうと・・・

青沼:・・・『だからお前は、バカなんだ(麻原の声で)』

(会場笑)
(オフラインで話したことの一部を話そうとしたと思われる)

藤田:『ミラレパはアーナンダに従え(麻原の声真似?で)』

(一同笑)

藤倉:森さんいい人ですよね

(会場笑)

藤倉:まぁまさにそういうことなんですけどね、ぼくも出すなとは言わないけど、出すなら出し方があるんじゃないかと、思うんですね。

滝本:ひかりの輪だったら観察処分がないと思って入っちゃう人いるんですよ、あれほんといい迷惑でね。三ヶ月に1回(信者の)名前報告してるんですよ。

藤田:どういう風に紹介しろって要求してるって話は、聞かない?

藤倉:謝礼を要求するってことは聞くんですけど・・・

青沼:テレ朝はね・・・

藤倉:(オンラインを)切らなくていい?

青沼:あ、切ったら言う・・・

藤倉:じゃあすいません、また切らせていただきます

(音声なしでわからず)

藤倉:もう言いません、ぼく、今度は大丈夫です!

藤田&青沼:フフフ・・・

藤倉:なるほどね、テレビって汚いですね!

青沼:いやそんなことないっすよ(笑)

滝本:日本記者クラブで、会見のときにいったことで、当時は警察官のね、オウム信者もいたわけで、自衛隊のオウム信者もいて、マスコミにも、オウム信者は結構いました。はい。『実は、先々週にイニシエーションうけてきたんです』とか言い出す人とかいて、ちょっと待ってって(笑)

(出演者笑)

滝本:そういうことは紙一重だとわかってるんだけど、そういう他人事じゃないという人もいて、友達がサリン撒いちゃったとか、そういうメディア人もいたりするわけです。
今現在、アレフ、ひかりの輪に入ってるメディア人がいないとは限らないと、一方では思ってます。

藤倉:これから上祐さんがメディアに出る機会ってあるんですかね、20年以降で。
麻原の執行とかですかね。

青沼:死刑執行のときはノコノコでてこれないんじゃないかな。
でも中枢にいた人物から話を聞くのは、メディアとしてはある種使命でもあるんで。
そこは一方的に否定することはできないし。

滝本:ひかりの輪の宣伝料でいえば、一億円くらいの宣伝を、この3月にしたようなもんだと思いますけども。
あの上祐が一番許せないのが、12人の死刑囚がいるんですけど、麻原以外の

上祐はそれを全然止めようとしてないんです。
だってみんな紙一重だったわけでしょ?
自分が死刑になる方が、普通だと、大幹部は結構思ってんですよ。
カナリヤの会なんて、長老部いくらでもいるけど、あんときはごめんっと何度も頭下げて、自分が誘った人が死刑になったりするわけでしょ、恐ろしいくらいの自責を持ってたりしていますよ。上祐はそれを全然感じていない。
当然、仕方ないでしょ、みたいな。
紙一重で上祐だって・・・その現実感覚がやっぱり、彼は戻ってないんじゃないかなって思いますね・・・

藤倉:まとめをざっくりしましょう。
さっきの大田さんもそうだし、鈴木邦男さんとか、上祐について(ヨイショしていること)あまりうかつにやらないでほしいな、というところと、今のメディアのところで、藤田さんが日頃書いてる、NHKの番組でもそうなんですけど、宗教的な確信に踏み込めていない、すべてのメディアがだいたいそうだと。

青沼:NHKだけどね、そもそもね、オウム事件って未解決事件なの

藤田&滝本:そうそう

青沼:未解決事件なの?違うでしょ?

滝本:「NHKだって未解決事件」って言ってるよ、ってのが、勧誘文言ですから。現在。
アレフの応援団かと言いたくなっちゃう。

青沼:オウムの闇とかね、謎とかね、でそんなの、法廷を取材すれば、いろんなこといっぱい出てるわけですよ。
ぼくに言わせれば、何がわからないのかがわからない。
でそういったところの問題ってのはすごくあって、わざと闇を作って見せたり、前提としてのあり方が間違ってると思うんだよね。
踏み込む踏み込まないじゃなくて、ちゃんとしたことやってないと思うんだよね。たとえば高橋克也の裁判終わって、判決ありますけども、未だにVX「ガス」って言ってるメディアがあるんですね。新聞も。これガスじゃないですからね。
VXっていう液体を垂らしただけですからね。

滝本:蒸発しないんですよね。サリンは蒸発します。

青沼:揮発性もないんで。
VXっていう化学剤です。そういったとこから間違っている。
ちゃんと取材してるのかどうかってことが問題だとぼくは思うんですね。

藤倉:ぼくはこのNHKの未解決事件file.02と、04(※未解決事件というドキュメンタリーシリーズの中のオウム真理教特集ということ。01はグリコ森永事件、03は尼崎連続殺人事件をテーマにしていた。)
02のところは青沼さんがすごいブログでツッコミいれていて、あそこどうなんてるのかな?って04の方見てみたら、そこと矛盾するようなところが、うまいことこう、逃げててですね。

青沼:全部消して、警察のヨイショになってましたからね。

藤倉:そう、リムジン謀議のあたりとかも、井上の話あったじゃないですか

青沼:あの、未解決事件file02の中では、NHKだけに井上がこういう告白をしました、って手紙を紹介するわけ。
その中で地下鉄サリン事件は、予言の成就、ハルマゲドンの成就のために、やったんだ、と井上が言っている。
これをNHKだけに告白しました!っていうんだけど、
いや裁判の中でね、途中から井上は言い出すんだよ、
これは予言の成就だと思いますって。それで遺族とか被害者も呆れちゃうのは、
リムジン謀議の中でサリンとか撒くことが決まってっちゃうんだけど

滝本:(地下鉄サリン事件)二日前の、車の中でね。

青沼:その中で、強制捜査が来る、どうしよっか、っていってたときに、
『じゃあサリンを撒いてはどうでしょうか』っていっちばん最初に言いだしたの井上なんだよ。
で自分が言いだしといて、教祖が予言の成就のために撒いたんだ、って。明らかにオカシイんですよ。それで相手にされなかったって話を、NHKが「俺たちだけに!持ってきてくれた!」みたいになるんですよ。

藤倉:未解決事件file.04でね、リムジン謀議の再現シーンが出てきたの。
そこでは村井が言って、麻原が『お前、指揮をとれ』と言ってるシーンだけで、それ以前がないんですよ。

滝本:オウム事件ね、これだけ大勢の人数の刑事事件です。
普通のヤクザさんの事件に比べて、よくここまで証明できたな、と思いますよ。
事前の謀議なんてなかなかわかんないです。
麻原は帰ってきた実行犯たちに、『真理勝者方にポアされてよかったね』と言いなさいと、宗教的な言葉を伝えているでしょう。これだけでも十分な証拠ですよ。本来は。
それなのに、謎だとか、指示してなかったとか・・・もう、考えられない。

青沼:よくいうのは、麻原は事件について何も語らなかったと。
でも罪状認否してますから。

滝本:私の車にも2gのサリンを撒いたと。麻原いってんだよ。
でも溶けて蒸発しきってるってのが、麻原の弁明だからね。

藤倉:この未解決事件のfile.04では、やっぱり裁判では何も語ってないけど、我々が捜査関係者から入手した調書では、こんなことを語ってた、っていう書き方をしてた。

青沼:あの、坂本事件の調書でしょ?
あれね、出てる。裁判で採用されてる。
岡﨑の法廷かなんかで証拠採用されてる。新聞記事にもなってます。

藤倉:(笑)ま、そんな調子なんですよ。

滝本:レベルがほんと下がってると思う。
チームが。ちゃんと調査しないでね。

藤倉:では藤田さんに、宗教的確信の話を。
このメディアがオウム事件を振り返る時にですね、
宗教的確信について全然掘り下げられていないという話を・・・

藤田:あのですね、個々の事件の動機とか流れってのはあるんですけど、
その根本にある宗教と事件との有機的な結合ってのが、犯罪実行者のところで、
一つずつきちっと丁寧に、明かしていかないと、この事件の一番根底からわからないだろうというのがぼくの考えなんですよ。
こないだの高橋被告でも、あれは仮谷さんだったかな、の質問で、
『救済だったんですか?』と聞かれたときに、『根底ではそう思います』って。
まさに根底ではっていい方したんだよね。
そこのところは、全く審理しなくても、判決はいくらでも出して、それは問題無いことにはなるんだけど、ぼくが一番はじめから感じてたのは、その宗教的動機と犯罪との有機的結合を、きちっと解き明かさない限りは、ほんとのカルトの恐ろしさってのはわからないだろうなって、断片的にはおこなわれてるけど、ぼくはそれをつなぎ合わせるんですよ。
裁判では無理かもしれないけど、なにせアメリカは95年の秋に、上院で調査やったくらいで、未だに海軍の退役軍人とかが調べたりしてるわけですから。
それほど深刻なんだけども、その自覚が我が祖国にはないかな、と思ってる次第です。
それからどういう人間を作っちゃうかだね、さっき滝本先生が現実感覚がないっておっしゃっていましたけども、ここ(客席)も傍聴雀の方が、何人もいらっしゃるので、高橋被告を見てたと思うんですけども、あれ、頑ななっていう言葉は、通俗的な言葉で、使えるんだけど、いわゆる「頑な」じゃないんじゃないかな。
ぼくは91年にオウムに取材に行った時、無機質っていったらいいかなぁ、そういう印象を受けるんですよ。

滝本:村井の目みたいな

藤田:そう。あのー、無機質っていうのは、この世をこの世と見ないような・・・
だから、この世が無機質だったら、何しても相手は苦しむってのを実感できないわけです。そのまんまだ、っていうその、無機質っていう言葉を使ったの、思い出してねぇ、高橋さん見てねぇ。
だからそういう人間を作っちゃうんだってこと、その人間だからこそ、犯罪できる。
高橋被告の場合は、弁護団が指摘したのは、「従属的である」と。
いうことだけども、あの、それでも、あの人、どっかの場面で、父親思い出しちゃったとかね、だけど、続けるわけよね、大阪いったときもさ、浜口さん殺しに行ったときも、車で見てたら、新實ともう一人が、浜口さんからおっかけられて逃げてたから、こりゃまずいや、ってサッと車引き上げて逃げるっていう、そういう判断きっちりつくわけ。
だから、なんていうのかな、悪い事やってるっての、自覚はある。
んで、まぁあんとき面白かったけどね、(高橋被告が)『柔道やってるやつ(浜口さんのこと)は足が遅いから大丈夫だ』っていったら、新實と山形が(追いかけられて)ハァハァゼーゼーいって、『ちっとも遅くないじゃないか』っていったっていう。

(出演者笑)

藤田:だけどそういうのもね、あの現実感覚のなさ、ですよ、こうやってころしてくわけで。

滝本:浜口さん、あの後、10日間苦しみに苦しんで、それで、死んだということなんだけど、(高橋被告は)それを知らないまま・・・

藤田:そうですね。

滝本:現実感覚がない。知らない・・・

藤田:今度の裁判では、それを聞いてるわけですよね、遺族の陳述をね。
そういう無機質にしちゃうんだっていうのをね、現実感覚の無さっていう。
上祐さんはね、そのまんまきてますよ。それをね、しっかり見なきゃいかんかなーと。

青沼:ぼくの考えでは、そういうもの(現実感覚のない状態)になっちゃう、って仰ったけど、もともとそういうのがあったんじゃないかなーって思いますね。

藤田:ああそういう傾向がね

青沼:はい。本質とか。だから今も変わらないだけであって・・・
だいたいオウムに入る人って、まぁ(本来の自分を)取り戻す人も結構いるわけですよ。

滝本:もちろんですもちろんです、本物の脱会者もね。

青沼:だけど、元々からそういうものを持ってたんじゃないかなーとは思うんですね、違う議論の対象になってしまうんですけども。

藤田:あのー、もっとね、細かく個別的に調査しなきゃいかんでしょっていうこと、そういうことも含めて思うんですよ。
全面的には反対しない。
だけどこないだの高橋被告の公判見てて、検察側にしても、裁判所の補充質問にしても、裁判員にしても、無機質のまんまだったんだけど。
仮谷さんなんて『同世代ですね』とか言い出すわけね。
で父親が死んだ時の話を聞いて、自分の父親が死んだ時のことをいう。
それから高橋シズエさんも、優しい声だったから、ビックリしたんだけどね。

青沼:ぼくは、逆をいうと、ものすごいあの人たちが、寛容になってることの方が、驚きだった。

滝本:どうやれば喋ってくれるか、考えに考えてましたよ。

藤田:それでね、(シズエさんが)『高橋克也さんと呼ばせていただきます』という、ほんとに、人間として扱うわけよね。同じ人間として関わる。そんで、どうやって話してもらうかということも、今仰った通りだと思うのね。
その時で、高橋被告は、ぼくが見てた限りだけど、はじめて参加人席におじぎをしたんだよね。
そうするとね、高橋被告の、そういう風に変わってく、人間性ってのかな、それを引き出したのが、参加人ってのは、ちょっと切ねぇなぁって。
とっつかまえてたんだから、検察だって弁護人だって、なんとかできなかったのかよ。
オウムはそういうの多いですよ。三女の話でも、そんな学校きてんだから、入れてやりゃいいものをさぁ、世間って冷てぇもんだ。
まぁあの、通信制の高校とか、文教大の担任的な先生もどう扱ったかっての本の中にも出てきて、そういう人がいるんだから、そういう風に扱ってやりゃいいものをさぁ。
それをよく、オウムの事件では感じたことですねぇ。

藤倉:ちょっとあの、だいぶ時間なくなってきましたけども、フロアから質問があれば。

藤田:あちょっと、ごめんなさい、わたし、ひとつお伝えしたいことがあります、わたし、岩波からね、「宗教事件の内側」って本出してんですけど、その中に広瀬死刑囚が、入信するときに、麻原氏の本を読んで、やってみたらクンダリニーの体験をしてしまったと記述してんだけど、これは事実誤認です。
広瀬氏は、本を読んだだけで、一ヶ月後に体験が起きちゃって、『あ、オウムは本物だ』と思ったっていうのが、彼が言ってる事実です。それは彼の手記に出てますので。

滝本:それ私にも手紙きました。直してくれって。

藤田:機会あったら直そうと思ったんですが、あれは初版のまんまなんで、別の機会に直そうと思ってるんですけども、今日はみなさんの前で、はっきりお伝えしたほうがいいなと。すみません。

藤倉:質問の方、一人かお二人になってしまうとおもうんですが、では前の方。

男性:大田さんの話で、オウムのオカルト的な源流が、実はそれがまちがっているっていう、インチキの部分を、その大田さんは知らないで言ってるのか、あえて言ってないのか、どっちなんでしょう。

藤田:彼の「オウム真理教の精神史」見ると、ブラバッキーがインチキしたと指摘された、という一行があります。それはあるけども、あの、それだけで、別にその、神智協会の話を否定するとかそういうのは全然ないですね。

藤倉:逆に言うと、オウムの源流は全部インチキだったんですか?

藤田:あのーそういう風に指摘を受けたものが多い、ってことですね。

滝本:インチキでもほんとでもわたしは構わないですけどね、普通のお寺さんや教会でも、ヘンな人が指導者になってヘンになっちゃう話はあるんで。教えが正しいか正しくないか・・・ま、すいません。

藤倉:はい、質問どうぞ。

女性:あの、名前の言えない社会学者の先生が、もし麻原が、裁判所に『わたしに全責任がある』って、あのー、信者は、あのー、洗脳されてたし、そこで断ったら、あの、ポアされるから、あの、やらなければいけなかったというと、あの、裁判はどうなってたのかわからないっていうのを、あのー、上祐さんに聞いたことがあるんですけれども
、そしたら・・・うーん、自分を神格化した人間は、元に戻らない天皇の、あのー人間宣言てのがあるのがありましたが、そういうの、普通の人はできないとかおっしゃってて、おっしゃっててっていっちゃいけないか、できないとか、言ってたのでー・・・私、その、将来のある人全部・・・あ、それに上祐さんは自分があのー、あの、ロシアに行っていなかったら自分も、殺人犯にされてた可能性はあるって、言われ・・・言ってたので、ちょっとさっきの弁護士さんのおっしゃってることと、違うなと思ったんですけれども、わたしは、その、将来のある人を全部、あー、オウムにいたっていうだけで、死刑にするのは、ちょっと死刑反対の立場からどうかなって思ったんですけど・・・すいません。
(※書き起こしながら、分かりづらい話だったのでほぼそのまま起こしました)

滝本:私?・・・え?

藤倉:だ、誰への質問ですか?

女性:えっと、あ(聞き取れず)だ、誰でもいいんですけど・・・

藤倉:じゃあ滝本さん

滝本:吉本隆明の言い方と同じですね、麻原が法廷で、『すべてあたしの責任で、正しいポアだ』と弟子には責任がないと、いうことを述べたらどうなるかわからないと、吉本が言いました。
そんなこと麻原がいうわけないから、私は安心してました。
そして、裁判自体は、本当に麻原は弟子のせいにして、なさけないくらいペテン師の言い方。自分は無罪だという言い方で。いうわけないから。
で吉本は、また予測が外れたわけですね。洞察力がなかったことがわかった。
それなのに、なんでそのあと吉本はまだ発言できるの?マスコミってなあにって、不思議でしょうがない。
弟子なんとかはね、わたしは死刑囚の12人はロボットだったと思うし、麻原が頭で彼らは手足だったから、死刑にしないでいいと思ってます。
でも有能な云々じゃありません。知的障害があろうと、どんなに能力がなかろうと、社会の片隅でまじめに一生懸命やってる人いるわけです。
どんなに将来があろうと頭が良かろうと悪い事をやったやつは、死刑になっていいと私は思います。
でも彼らは麻原彰晃のロボットだったから、死刑にしたくないわけであって、有能な人だったからじゃ決してないんです。
私は有能な云々言われると非常に頭にくる。騙されてバカだと思いますよ、大バカだと
死刑は執行したら、麻原が喜ぶからね、実は。一番の原因は。麻原が12人引き連れて死ぬわけでしょ?死ぬのを一番怖がってるのは麻原だと思うし。(引き連れて死なれたら)悔しいから。

藤倉:ありがとうございます。
もう一人くらい質問あれば・・・・いいですか・・・・締めちゃいますよ・・・・?
(出演者に)最後、なんか言い残したことは・・・?

青沼:死刑に関連して一ついいですか。ぼく弟子が死刑回避するなら、麻原も回避するのが平等だと思うんですけど、なんだかんだ言っても、やっちゃってることはやっちゃってるじゃないですか。

滝本:実行犯の一人二人、替えはいくらでもあるでしょ、麻原の替えはない。
つまり、麻原の重大性は、8割から9割。そういうことだと思うんですよ。

藤倉:あの、そこってあれですよね、あの、麻原が8割9割でも、残りの1割、2割の部分が、死刑にすべきラインを超えちゃってたら、つまり全員死刑っていう・・・

滝本:これから先法務大臣が悩むところです。

藤倉:ぼくはやっぱり、永岡さんとか、その家族の会の人たちの思いみたいのを、接して、聞いてしまっているので、意見としては死刑にしなきゃって思うんですけど・・・やっぱり・・・

滝本:早川さんは、最高裁のときに『はやく死刑になって死んだ方がラクですわ』ってわたしにいうんですわ。そんな簡単に死なせないよ、苦しみなさいよと。

藤倉:ハハハ

滝本:井上にも、高等裁判所の証人に出たとき『そんな簡単に死なせないからな』と言いました。死んだって、罪は償えないんだから。永遠に、何万カルパもあんた、罪が償えないんだ、わかってんのかと。

藤倉:今日は、なんというか、森達也がこんなにひどいってのが、はじめてじゃないですか、こんなわかったの。

滝本:今死刑の話してたのに・・・

青沼:でもやっぱりね、権威付けの問題っていうのは、ものすごく今、一番問題だと思うんですよね、メディアにしてもオウムはまだ謎なんだって前提ではいっちゃうと、そうなっちゃうでしょ、事件を知らない世代が、今大人になって、社会の中で活躍するのに、有益に働くのか、一方で、森達也みたいな、ハッキリ言ってだらべですよあんなの!絶対許してはいけない!それに賞を与えて権威付けすることが、果たして社会にとって有益になるんだろうかとか。
あの、なんていうのかな、絶対的な力を持っているところが、そういうわけわかんない人を推しちゃってるところが、ぼく今、世の中を見てて一番いけないところだと思うんですよ。オウムは謎だって言ってしまったら、アレフのダミー団体が、謎なんだからいいんだって若い人たちに対して、言っちゃうのがね、そういうところがいけない。
何がわかってて何がわからないのかっていう、正確な情報をしっかり伝えるってことは、今後も必要になってくるってぼくは思うんですけどね。今回責任を追及するんだったら、曖昧な情報を発信してしまうこと、それに、権威付けをしてしまうことこれはものすごく、問題定義していかなきゃならないと思うし、これがなかなか難しい、ってこともあるんですけどね(笑)

藤倉:この顔ぶれがロフトに集まるってことはなかなかないと思うんですけども。
また、変な奴がデカいツラするようなことがあれば、このカルトスリーに来ていただいて、悪口大会・・・

滝本:いや別に悪口いってるわけじゃない

青沼:問題定義してるの

藤田:具体的事実に基づいて言ってるの。

藤倉:あハイ(笑)

青沼:あるいはまた、オウム裁判ってなんだったのかっていうことでまた・・・

藤田:それはある

滝本:全ては事実から出発するっていう共通点は、あるんじゃないですかね、森氏なんて、都合のいいところだけ。

藤倉:ありがとうございます。他に、もう言いたいことはいいですか?

青沼:まだ問題のある人はいるのですが、それはおいおい・・・

藤倉:え、誰ですかそれ、「き」?「あ」?

青沼:いやまぁ・・・(笑)

藤倉:では、今日はみなさん、長い時間、ありがとうございました。お疲れ様でした。

(立って礼をする出演者たち。会場から拍手。)

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